建設現場では職人や作業員がスムーズに仕事をする上で、全体を管理する現場監督の存在が欠かせません。
しかも建設工事は、土木・建築・電気・造園・管工事などの複数の種類があり、各工事の仕事内容や必要とされる知識・資格も異なっています。
それぞれの工事現場で現場監督がどのような役割を持っているのかまとめてみました。
道路・橋・鉄道を始め、建物以外の部分を請け負う土木工事。重機や溶接を扱う機会も多くあり、一歩間違えると負傷しかねないリスクも工事ははらんでいます。
こうした中で、職人や作業員が安全に業務できるよう環境を整えるのが現場監督の仕事です。常に全体を把握し、工期内に工事を終わらせられるよう管理するのも業務のひとつです。
そのため土木現場の現場監督には、管理能力や判断力、そして専門的な知識と体力が求められます。
建築工事は建設の一種で、つまり建築物を工事することを言います。そこには新築ばかりではなく改修や修繕、リノベーションも含まれており、住宅や商業施設などさまざまな建築工事が行われています。
建築工事の現場監督は「現場代理人」と呼ばれることもあり、主に施工計画・工程の管理・安全の管理・品質の管理の4つを軸として業務に従事します。
施工計画では、建築工事が設計図通り、予算通りに進んでいるかどうかをチェックします。
工程の管理の場合には、その建築が予定通りの日程で建てられているかを管理していきます。
電気工事は、発電所や変電所といった発電や変電を伴う設備の工事と、送配電設備などの設置を行う工事です。
危険を伴う場合もあるため電気工事現場の現場監督にとって安全管理は何より重要な仕事となります。現場周辺もきちんと調査するなど、作業員が安全に仕事に従事できるようチェックは欠かせません。
そのほかにも現場監督は発注者と連絡を取り合ったり調整を行ったりし、役所に書類の申請を出したり、作業日程の組み立てたりと具体的な仕事は多岐に渡っています。
造園工事は、庭園や公園、緑地を造る工事を指し、植栽や緑化といった作業を行います。
造園工事現場での現場監督は、庭園や公園を含むあらゆる造園の施工・工程・品質を管理しなければなりません。
工事ばかりではなく、造園を行ったあとの維持管理、緑地管理など、さまざまな業務も現場監督の仕事。
また、造園業にはそもそも剪定の技術や美しく見せるセンスが必要であり、植物の種類や剪定や植樹の時期など、専門的な知識が多く求められます。
管工事は、「配管工事」と呼ばれることもあるように、ガス・空調・給排水・冷暖房など、配管設備を整える工事全般のことです。
ただ、上下水道の施設と建設工事については「水道施設工事』として区別されています。
管工事は万一事故が起こると人の命を奪いかねない危険があるため、現場監督は作業員が安全に作業できるように努め、環境を整えなければなりません。
配管に用いる材料の品質管理、工事が予定通りに進んでいるかどうかの工程管理も現場監督の仕事です。
電気通信工事においては、LAN工事や携帯電話基地局工事、放送設備工事、テレビ共聴設備工事、設備機器の設置工事など、さまざまな工事を対象としています。情報通信設備に関わる工事であることから、私たちの生活にも非常に深く関連してくる工事であるといえます。
このような電気通信工事では、高いところに登って行う危険な作業も発生することから、特に現場監督を務める場合には安全管理に留意する必要があるといえるでしょう。