1898年に福井県で創業。当初から土木建設工事を手がけ、日本最大級の規模である徳山ダムや佐久間ダム、青函トンネル、黒部ダムのトンネル、関越トンネルなど数多くの難関工事を行い、明治から大正にかけての日本の近代化と発展に尽力してきました。
そうした歴史ある施工実績のほか、高速増殖炉もんじゅや、原発銀座と呼ばれ、日本の原子力発電所の約四分の一が集中する福井県の若狭湾一帯の原子力発電所工事など、社会に影響を与える建造物も多く手がけ、これらの原子力発電所建設により急成長しました。
新宿野村ビルディング、世界第2位の高さの台北101など国内外で多くの超
高層建築を手がけた実績があり、新たな建設分野での技術開発にも定評があります。
そのため会社で保有している特許数も多く、また無人化施工といった新たな技術開発なども積極的に行っています。また、日本が木造建築物で世界をリードしていくための新たなチャレンジだとして、木造で高さ350メートルの超高層ビル建設を目指す「W350計画」では、東京都心の丸の内エリアに地上70階建てのビルを建てることを想定した協力会社として名を連ねるなど、技術力や実績に期待が集まっています。今後もそうした技術力を活かし、積極的な海外事業を展開していく方針のようです。
熊谷組は、かつて海外事業で大きな損失を出し、経営危機に陥ったこともありました。
しかし徹底した経営改革で2014年頃には経営再建をほぼ完了し、厳しい経営状態から脱却しました。それ以降の営業利益は、国際イベントの特需などの影響もあって業績が改善され、準大手ゼネコンの中ではトップクラスの数字を誇っています。
リニア中央新幹線の実験線の段階から、高架橋工事や路盤工事、トンネル工事などの建設プロジェクトを行ってきた熊谷組。2026年からは、地下40メートル以上の大深度での地下工事を着工する予定です。
有人走行で、630 キロを達成し、世界記録を更新したリニアモーターカー。時速500キロで走行するリニアモーターカーが実現すれば、東京・大阪間は約1時間で結ばれるのです。
株式会社熊谷組
所在地:東京都新宿区津久戸町2-1
電話:03-3260-2111(代表番号)
熊谷組には、社員のための階層別研修というものがあり、これによって人材の育成を行っています。
しかしこれは、65歳定年までの雇用を前提とした制度の一環で、技術を持つ高齢者の雇用拡大以外に、経験
者が持つ技術力を次世代に継承することも目的としています。
そのため、豊富な実績や資格を持っている人は優遇されますが、未経験からの取り組みには向かない制度でもあります。
現場監督を目指して資格取得を目指すのであれば、初心者からでも資格のサポートをしてくれるテクノプロ・コンストラクションで、働きながら資格の取得を目指すのがおすすめです。
テクノプロ・コンストラクションでは大手建設会社の現場にも数多くの人を派遣しているので、目指す会社で現場の経験を積むことも可能です。
熊谷組の社員の1日のスケジュールは、公式サイトに見当たりませんでした。
熊谷組は働き方改革に力を入れており、長時間労働を是正するような取り組みを積極的に行っています。また子育て世代にも働きやすい環境を整えているようです。
宮城県の広域医療や災害時の対応を担ってきたのは、仙台医療センターです。
仙台医療センターは1937年に創設。戦後は厚生省に移管され、国立仙台病院として地域の人々に親しまれてきました。
ただ施設の老朽化がすすみ、2011年に発生した東日本大震災により損傷を受けました。
基幹災害拠点病院は、人々の命を守るためにも必ず必要な施設です。
宮城県の基幹災害拠点病院の役割をもつ独立行政法人国立病院機構仙台医療センターは、災害に強い安全な建物として生まれ変わることが急務でした。
そんな病院の整備などの工事を任されたのが熊谷組です。医療施設、特に総合病院の建設は、安定性の確保だけが必要なわけではありません。将来の医療技術の進化も見越した設計が必要です。
つまり建設会社の医療技術に対する知見が試されるような工事ともいえるでしょう。
たとえば技術面で考えれば、放射線治療のための部屋のシールドや手術室のクリーン度の確保、滅菌や検体検査のための高精度な電気や熱源の管理なども設計に求められます。
そのため、病院の工事はより専門性の高い案件です。
仙台医療センターは、現在地の真向かいにある宮城野原に建設することに決定。
また広域防災拠点整備構想によってドクターヘリの導入、仙台医療センターを基地とすることも併せて決められました。熊谷組によってヘリポートと格納庫は、一足早く2016年8月に竣工。
新病院は地上12階建てで、延べ床面積は61,615m2、病床数660室、手術室12室、働く医療スタッフは約1,000人という巨大な計画になりました。
細部に渡って設計が繰り返し行われ、工事は2016年4月に無事着工。
大規模な総合病院の建設は建屋を造るだけでなく、様々な技術的、社会的な課題を明らかにする必要があります。
それらを調整しながら竣工時における最先端医療の実現を目指すことが大切でしょう。一度開設されれば、病院は24時間、365日休みなく稼働します。
そのため建屋には電気や熱源、排気などの安定性を確保するための工夫が施されています。また医療技術や機器は、まさに日進月歩。
それらを見越した診療室や手術室、部屋づくりも最大限行いました。さらにスタッフが働きやすい環境整備も重要と考えています。病院を利用する多くの人が快適に過ごせる空間を創り上げています。