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現場監督に求められるコミュニケーション能力

建築現場で求められるコミュニケーション能力について、職人さんとのコミュニケーションを中心に紹介していきます。まずは、現場監督が職人さんとどのようにコミュニケーションをとるべきか、基本的なスキルを確認していきましょう。

建築現場で求められるコミュニケーション能力

職人さんの予定や次の現場について確認する

多くの職人さんは、複数の現場を掛け持ちしています。現場監督が職人さんの予定を確認することで、配慮のできる人・親切な人といった印象を持たれやすく、その後のコミュニケーションにも良い影響を与えます。ただし、プライベートなことを聞かれたくない職人さんも多いため、あくまで仕事の予定などについて確認するよう気をつけましょう。

職人さんの仕事を理解したうえで論理的に伝える

建築現場で求められるコミュニケーション能力は、「交渉力」です。たとえば、現場監督が職人さんへある作業を頼んだり、職人さんから現場監督へ確認を頼まれたりなど、作業や情報の交渉を常に交わしています。そして、職人さんへ何か作業を頼む時は、作業内容や用語を理解したうえで、論理的に説明するのが大切です。

作業内容や図面の読み方などを理解せずに頼んでしまうと、職人さんも何をすればいいのか分かりませんし、時間の無駄でもあるため怒られてしまいます。丁寧な会話を心がけるのはもちろん、仕事内容の理解と論理的な説明もできるよう日々勉強しましょう。

職人さんへのリスペクトを忘れない

職人さんは、自身の仕事に対する誇りを持っていますし、他の職人さんに対してリスペクトの気持ちを持っています。さらに人間性なども含めて、相手を判断しています。このような考え方は、現場監督に対しても基本的に同様です。そのため現場監督は、職人さんへのリスペクトを忘れず敬語で元気よく挨拶や会話を行いましょう。

信頼関係の構築ができれば、仕事に関する頼みごともこころよく引き受けてくれます。

意見を素直に聞き入れる

状況によっては、職人さんから工事内容に関連する提案やアドバイスも受けることがあります。そしてアドバイスを受けた時は、素直に取り入れる姿勢も大切です。

職人さんの話を丁寧に聞き取ることによって、信頼関係の構築や作業効率アップにもつながります。

明るくはっきりとした声で人に接する

人間の生理的な反応として、楽しい時やうれしい時には声が大きくなったり、声が高くなったりしますね。言い換えれば、積極的にハキハキとした声を出すことで周囲の人に対して自分の前向きな感情をアピールすることが可能です。また明るい態度で接してきた相手に対しては、乱暴な態度を取ったり無視したりしにくくなるもの。双方にいい影響を与えるため、明るい声を常に意識したいですね。

もちろん、色々な事情や体調によって明るく振る舞うのがどうしても難しい日もあるでしょう。そんな時こそ意識的に声の高さを上げれば、自分自身のモチベーションを上げることにもつながります。また接しやすい人柄として認知されることで相手も話しかけやすくなり、双方向のコミュニケーションが活性化されることも重要です。

意見がいいにくい、話しかけづらいから報告は後回しにしよう、と思われてしまうと作業の進捗にも影響が表れてしまいます。この人は話を聞いてくれると知ってもらうことで現場の意見交換が積極的に行われるようになれば、活気ある現場になるでしょう。

現場で働く仲間のことを「業者」扱いしない

現場では、色々な会社から集まった人材が一致団結して作業を進めます。そのため元請けにとって現場で働く職人は「下請け業者」であると同時に、一緒に働いている「仲間」です。

業者と呼ばれて気にしない人もいますが、職人はプライドを持って技術を発揮して作業に協力してくれています。単なる業者としてひとくくりに呼び、軽んじているような印象は与えないようにしましょう。どんな仕事においても、仕事に携わる人々を個人として尊重する意識が大切です。

現場で怒られないか心配

現場監督が怒られる理由は?口コミでよくある相談

現場監督になったばかりの新人が、仕事のつらさから「辞めたい」と匿名掲示板やSNSに相談を書き込むことは、少なくありません。現場監督は現場において重要な役目を担うため、新米だからといって職人さんは甘く見てはくれないため、厳しい指導に耐えきれない人も多いようです。

例えば職人さんが「これはどうなっている?」と質問してきたとします。「わからないから先輩に聞いてみます」と答えると、職人さんは仕事を把握していない邪魔な存在と見られるかもしれません。百戦錬磨のベテラン職人さんに指示を出す立場である以上、現場全体のことを誰よりも把握することが求められます。

納期に遅れて怒られたという内容も、相談でよく目にします。元請け会社から「作業が遅れている!」と怒られるのは、日常茶飯事でしょう。

新米の現場監督であれば「監督」とは名ばかりのひよっこでしかありません。自分自身の未熟さゆえに、怒られてしまうケースが多いようです。

先輩や職人さんが厳しいのはどうして?安全を第一に考えて働こう

現場で働く職人さんや先輩について「過剰なほど厳しく怒ってくる」と感じる人もいるかもしれません。世間一般ではパワハラやモラハラと判断されるような、厳しい言葉をぶつけられる時もあるでしょう。しかし職人さんや先輩が怒るのには、多くの場合、明確な理由が存在します。

厳しく怒られる理由として一番に挙げられるのが、安全への意識が薄い行動をしたケースです。

危険が伴う現場では、小さなミスが大事故につながり、最悪の場合、人命に関わります。些細なことから、危険因子を排除する意識を体に染み込ませて仕事をしなければ安全な現場環境は作れません。先輩や職人さんは、緊張感を持って仕事ができるように教育してくれていると考えましょう。

もう一つの理由としては、怒られて育てる業界であることです。職人さんは遊びではなく生活のために真剣に仕事をしています。仕事にプライドを持っているからこその「熱量」を、まだ知らないことが多い新人現場監督は「厳しい」「怖い」と受け取ってしまうことも、少なくありません。

ベテランの職人さんや先輩の現場監督も、新人の頃は同じように怒られていたのです。怒られ続けてようやく一人前になる職種であることを認識して、当たり前だと割り切ってしまうことも必要です。

怒られないためには?報連相を徹底してメンタルを強くする

報連相もなく勝手な仕事をしてミスをすれば、怒られるのも当然です。怒られたくないあまりにミスを隠そうとする人もいますが、隠し事はいずれバレるもの。事前に報告がなければ、誰からも信頼されなくなります。

ミスをして怒る人はいても、報連相で怒り狂う人はそういません。相談も連絡もなく、最後の報告だけをする人も、仕事をするうえでは不十分です。勝手に判断していたことが無茶や危険が伴う場合、自分以外の周りにも迷惑が掛かってしまいます。自分一人で仕事をしているわけではないことを考えれば、報連相がいかに重要かわかるはずです。

怒られても受け止め方や気持ちの切り替えができれば心は折れない!

怒られた時に、受け止め方や気持ちの切り替え方が上手にできれば、心が折れずに前向きに仕事にも取り組めます。

怒られたくないと思うのは当然の感情ですが、それが理由でネガティブ思考に陥ると、日々の仕事にも悪影響が出てしまいます。ミスを連発して、次の仕事にもなかなか挑戦できないといった悪循環に陥るかもしれません。

怒られたことに重点を置かず「注意された内容」に注目してみましょう。上司、先輩、職人さんが、結局一番何を言いたいのかを考えてみてください。長々と説教があっても、結局は「今週中までに終わらせて」「安全を怠るな」といった、当たり前に守らなくてはならない点かもしれません。

相手の言うことすべてに対応しようとするのではなく、要点だけを重視しましょう。

要点がわかれば、あとは気持ちの切り替えだけです。注意を守って、いい仕事をして、相手を納得させる実力をつけましょう!

現場監督として、一つひとつやれることを増やしていけば、仕事も楽しく取り組むことができるのではないでしょうか。

職人さんは現場監督をどう見ているか

現場監督の立ち居振る舞いや能力を判断している

職人さんは施主や建築現場の雰囲気、現場監督の立ち居振る舞いを見ています。さらに、現場監督に対しては、施工管理の経験が多いのかどうか見抜いたうえで接します。そのため、ミスの多い現場監督の意見は、聞き入れてもらえない可能性もあるでしょう。

現場監督は職人さんに言動や態度、指示内容などをすべてチェックされていると考え、常に気を引き締めて対応するのが大切です。

現場監督として職人さんから学ぶことも多い

職人さんは、それぞれ仕事に対する考え方を持っています。建築現場の場合は、建築工法の歴史や伝統を重んじていて、強いこだわりもあります。

このように建築に関連する豊富な知識とこだわりは、現場監督にとって学べるポイントです。また、仕事に対する信念や誇りも、見習うべきところ。現場監督の仕事だけでは分からない部分多いので、職人さんとのコミュニケーションを通じて建築業についての実践的な技術や知識も吸収しましょう。

まとめ

新人の現場監督が悩むポイントのひとつ、それは現場でのコミュニケーションでしょう。特にこだわりの強い職人さんとのコミュニケーションは、単なる会話だけで信頼してもらえる訳ではありません。

まずは職人さんへの挨拶はもちろん、素直に意見を聞く姿勢や矛盾のない行動を心がけるのも基本です。ほかには、各職人さんの仕事内容を理解したうえで、仕事の頼みごとや相談を論理的に伝えるのも大切でしょう。