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現場監督と現場代理人との違い

このページでは、混同されやすい「現場監督」と「現場代理人」との違いについて、それぞれの特徴や条件、制限などを詳しく解説しています。現場での立場や職務内容を知り、自分が目指したいものはどちらか明確にする参考にしてみてください。

現場監督と現場代理人の違い

現場監督の役目とは

現場監督は工事現場に常駐して施工管理を行っている主任技術者や監理技術者の総称です。大規模な建設現場であれば、それぞれの部門ごとに複数の現場監督が従事している場合もあります。

現場監督の仕事内容としては、施工計画の作成や作業工程の進捗管理・安全管理、作業員に対する指導監督などが挙げられ、担当する工事の流れを管理する責任者という立ち位置です。現場全体を取り締まったり請負代金の金額変更や請求に関与したりする権限はありません。

現場代理人の役目とは

現場代理人は建設業法に規定されている用語で、元請業者の代表者として現場に常駐しながら現場全体を取り仕切っています。一般的に「現場所長」と呼ばれることもあり、元請業者(受注者)として、契約解除を除いて現場での一切の権限を担います。

現場代理人の職務内容の特徴として、請負代金の金額変更や請求・受領、工期の変更などが挙げられます。また現場ごとに現場代理人は1名しかおらず、他の人間が現場代理人の役目を兼務することはできません。

その他公共工事においては、「公共工事標準請負契約約款」に定められているように、特例の要件(工事の規模・内容について、主任技術者又は監理技術者の専任が必要とされない程度のものであることや、発注者又は監督員と常に携帯電話等で連絡をとれることなど)が適応される場合を除き、現場代理人は原則として、現場に常駐することが、元請業者に義務付けられています。

参照元:【PDF】国土交通省・建設産業局建設業課長「現場代理人の常駐義務緩和に関する適切な運用について(平成23年11月14日)」(https://www.mlit.go.jp/common/001027239.pdf)

現場代理人は現場監督よりも立場が上?

現場代理人は元請業者の代表者であり、その現場におけるトップとも言える立ち位置にあります。そのため立場上は現場代理人の方が現場監督よりも上位に当たるといえるでしょう。

ただし、公共工事でなく民間の工事現場においては現場代理人の法的な常駐義務はありません。そのため契約上で特別に現場代理人の配置が定められていなければ、必ずしも現場代理人がいるとは限らないのがポイントです。

一方建設業法においては、建設業の許可を得ている事業者は全ての現場において主任技術者か監理技術者といった現場監督を配置することが義務づけられており、現場代理人がおらず現場監督が施工管理のみを取り仕切っている現場も少なくありません。

参照元:【PDF】国土交通省「建設工事標準下請契約約款」(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001329293.pdf)

現場代理人は複数の業務を兼任できる

工事請負契約約款の第10条によって、現場代理人は主任技術者や監理技術者を兼任することが可能だと定められています。そのため、現場代理人が現場監督を兼務しているといったケースもあります。

参照元:【PDF】国土交通省「建設工事標準下請契約約款」(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001329293.pdf)

現場代理人になる方法

現場代理人になるために、特別な資格は必要ありません。これは、建築業法では現場代理人の配置義務はなく、契約に基づいて配置されるものであるため。このことから、「経営者の代理で任務を遂行できる」と判断されれば、特定の資格を持っていなくても現場代理人となれます。ただし、経営者の代理を務めるためには正社員としての雇用関係が必要となります。

現場代理人に求められるスキル

現場代理人には、まず「工事現場全体における経験と知識」が求められます。工事現場全体を取り仕切るためには、工事の内容・進め方を把握しておく必要がありますし、設備や機械に関する知識も必要になってきます。作業員に指示を出す、課題の改善点を考えるといった場合には、これまでの経験と知識が非常に役立ちます。

さらに「決断力」も必要となります。工事の遅れなどの問題が発生した場合には、現場に対して正しい指示を出し、トラブルを解決することが求められるためです。

上記に加えて、現場代理人には「コミュニケーションスキル」も求められます。工事現場の現場監督や作業員、その他の工事関係者と良好な関係を築くことが、スムーズな工事に繋がってくるともいえるのです。もし、工事の中で滞っている部分があれば、その点を察知し積極的に作業員とコミュニケーションを取ることにより、問題の改善に繋げられるでしょう。そのためにも、現場代理人には高いコミュニケーションスキルが必要となってきます。