乾式工法と湿式工法は、両方とも外壁工事の工法です。それぞれ異なる特徴を持っており、施工をする外壁に合わせて選択しなければなりません。
乾式工法は統一された規格の建材を工場で作り、現場で組み立てます。設置方法は貼り付けるか引っ掛けるかの2通りです。一方の湿式工法は、現場でモルタルや漆喰や土壁などを水で練り上げて、下地材の上から塗っていく工法。
工期は建材を作って現場で施工するだけの乾式工期のほうが短くなります。
乾式工法は、価格がリーズナブルなのと同時に、規格通りのため品質が安定しているため、ローコスト住宅を検討している方に向いているでしょう。個性ではなく、シンプルさや目立ちたくない方も乾式は向いています。
湿式は美観性や個性を出したい方に向いた工法です。自然素材にこだわりたい方や、伝統工法で建てられた家でサイディングボードを設置できない方にも向いています。
費用を見ると乾式のほうがリーズナブル。新築で乾式工法だと施工費用はおよそ100万円、すでにある外壁にサイディングを取り付けるだけならおよそ150万円です。
湿式だと新築でおよそ150万円、すでにある上に施工するならおよそ200万円となります。施工内容や施工面積によって、費用は上記から変動。あくまで目安として押さえておきましょう。
施工時の価格だけで判断できないのは「補修までの期間」です。乾式の外壁だと補修まで10年から20年が目安。一方の湿式は、メンテナンス次第で補修の必要なく、100年以上保つといわれています。
乾式のメリットは、職人の技術力に結果が左右されず、主流の工法のため対応できる業者も多い点です。工期が短くローコストな点も魅力。デメリットは個性が出しにくいところです。つなぎ目により美観・高級感が損なわれがちで、物足りなさを感じるかもしれません。
湿式は手作業や材料の組み合わせ次第で個性が強められ、画一的ではない質感や雰囲気を楽しめるのがメリットです。湿気を防げるので、カビやダニ対策にもなり、同時に高級感のある素材を選べます。デメリットは、工程の多さや現場で塗り上げる手間や職人で仕上がりが左右されやすいこと。乾燥の待ち時間やコストの高さも湿式のデメリットです。