このページでは、現場監督の将来性が期待できる理由や、人手不足となりがちな社会背景などについて説明します。
近年、建設業界はかなり需要オーバーな状態となっています。供給が追いつかないという問題は一旦置いておくとして、2020年以降はどうなるのか、気になるところ。
短期的には需要がしぼむ面もあるでしょうが、社会全体に大きなインパクトを与えるイベントとしては、2025年の大阪万博や2027年のリニアモーターカー開業などが控えています。周辺ビジネスなども含めれば、まだまだ大きな需要も期待できるでしょう。
建設業界のマーケットとしては、高度成長期のインフラや施設が老朽化時期に入ったことで、その補修や建て替えなどの工事需要も見込まれます。
これは日本全国で、ほぼ同程度の耐用年数を迎えているため、予算確保や優先順位づけなど課題は多々あります。待ったなしで手をつけなければならないものだけでも、かなりのボリュームになるでしょう。
建設業界が人手不足という実態は、業界内部では切実な問題となっています。社会全体でも「仕事がきつい」といったイメージから、新たな人員確保が簡単ではないのも実状。
総務省が発表している「労働力調査」から、全産業と建設業の就業者数推移の違いを見てみると、全産業は若干右肩下がりで横ばいに近いのに対して、建設業は2000年あたりを境に明確な右肩下がりになっています。
例えば、2000年には建設業の就業者数が約650万人だったのに対して、2015年では約500万人と、150万人も減少しているわけです。
日本社会全体が高齢化しているので、若年層が物理的に少ないという傾向があるものの、建設業は特に高齢化が進み、30歳よりも下の若い層がなかなか定着しないのが現状。これも「労働力調査」を元にしたデータとなりますが、2010年時点では55歳以上の人材が33.6%いるのに対して、29歳以下は11.1%しかいません。
もう一点、建設業の人材不足の基点となったのがリーマンショック。この時、業界全体の需要が冷え込んで、転職・退職した職人が多々います。需要が回復した今でも、この時の就業者減はリカバリーできていないわけです。
建設業の現状に危機感を抱いている企業・関係者はもちろん多数います。建設現場は一般的なビジネスシーンと違って、簡単に効率化・合理化しにくい面があるものの、人手不足解消をするための取り組みとして、主に以下の3点が重視されています。
建設業界でも特に建設現場での仕事は、どうしても3Kのイメージがつきまとってしまいます。これを払拭するための試みとして、各地で実践されている施策を紹介します。
静岡県の教育訓練センターは工業高校の生徒に呼びかけ、技能体験研修を実施。建設業界とも連携していて、参加者数も年々増えているようです。
愛知県建設業協会が行っている取り組みは、高校生と保護者による現場見学会。今現在の建設現場をきちんと知ってもらうことが、3Kイメージからの脱却にもなるというもの。
現場監督という職種でいえば、やはり長時間労働や休暇がとりにくいといった過剰労働が大きな問題。大手ゼネコンであれば収入は比較的よいものの、休みがとれないために離職するケースもあります。また、規模の小さな企業勤めだと、下請けならではの低賃金も大きな課題といえるでしょう。
業務を効率化することで作業工数を減らし、労務費を抑えて現場スタッフの待遇を改善する効果が期待できます。代表的な事例は、プレキャスト・コンクリート工法や鉄筋先組み工法の採用。基礎工事でもラス型枠や鋼製型枠を使うと工数削減になります。
これらの取り組みを実践している建設関連会社もあり、人材派遣会社テクノプロ・コンストラクションなどは若手スタッフも多数活躍しています。
取材協力会社
株式会社テクノプロ・コンストラクション
スーパーゼネコンをはじめとした、建設業界大手を中心に、質の高い技術を提供できる人材を派遣している、テクノプロ・コンストラクション。
2000名近い技術者のうち、未経験者からベテランまで幅広いメンバーが在籍しています。誰もが知っている有名なビルや施設など、数多くの優秀な建設技術者たちが活躍中です。 施工管理や建築について学べる1ヵ月の研修や、先輩担当者のフォロー・サポート体制が充実しているため、未経験で不安なかたもすぐに現場監督になれる環境が整っています。