施工管理の仕事を探す場合、「ハウスメーカーで働くか」「ゼネコンで働くか」という2つの選択肢が浮かぶでしょう。それぞれの施工管理者の仕事内容にどのような違いがあるのか解説します。
大手ゼネコンが請け負う建築物として、高層ビルや公共のインフラ建築、大型商業施設といったものが挙げられますが、基本的には大規模工事に関連するものが多くなります。そのため1つの現場に複数の施工管理者がおり、それぞれの部署やプロジェクトチームが連携しながら、同じ目標に向かって工事作業を進めていくという流れが一般的です。
それに対して個人用の住宅を販売しているハウスメーカーでは、施工管理者が実際にその家で暮らす人々と接することも多く、施工管理者として現場を監督すると同時に、施主やその家族に対して営業担当者のように対応しなければならない場合もあります。
またゼネコンの大規模工事現場における施工管理者と異なり、小規模な個人住宅の建築を担当するハウスメーカーでは、施工管理者が複数の現場を掛け持ちするといったケースも珍しくありません。
工事規模や性質の差は、それぞれに仕事の特徴や責任を生じさせるため、自分がどのような環境や目的意識で働きたいのか、最初にイメージしておく必要があるでしょう。
大規模工事には巨額な費用が投じられることも多く、大手ゼネコンの施工管理者では一般的な平均年収よりも高額な収入を狙える可能性が高まります。
一方、ハウスメーカーは全国展開を行っている大手から、地域密着型で営業されている小規模店もあり、収入条件も勤め先によって異なります。
そのため、大手ハウスメーカーであれば、大手ゼネコンと同程度の収入を狙える場合もありますし、物価の安い地方のハウスメーカーであれば全国的な平均年収を下回るところもあるでしょう。
ゼネコンで施工管理者として働くメリットとしてまず挙げられるのは、大規模工事に携われることです。後世に残る建築物の作業を監督できたり、社会的に重要度の高いインフラ工事に関われたりする環境は、大手ゼネコンの施工管理者ならではのメリット。
また最新の建築機器や工法へ触れられる機会も多く、現代建築技術の最先端を体感できるチャンスもあります。
ゼネコンが請け負う工事エリアは全国にあり、施工管理者も工期に合わせて現地へ出張しなければなりません。そのため家族との時間が失われたり、ライフワークバランスを整えるのが難しくなったりする可能性がある点がデメリットでしょう。
場合によっては海外へ単身赴任しなければならない可能性もあります。
自分が手掛けた建物を実際に使う人と、直接に触れ合いながら家づくりに取り組めるハウスメーカーでは、自分の仕事がどのように人の暮らしに結びついているか実感しやすく、職人として誇りや喜びを抱きやすいでしょう。施主から直接感謝されることで抱ける達成感も含め、自分のお客様の喜ぶ顔を見られる点は、仕事を続けるうえでモチベーションを維持するためにも重要です。
またハウスメーカーであっても、街づくりの一環として広範囲に建売住宅を建築する場合もあり、ゼネコンのように大きな規模の工事に携われる可能性もあります。
ハウスメーカーでは施主や依頼者と施工管理者の距離が近くなるため、時には営業担当者がいない状況でクレーム対応をしなければならないことも。
また個々の想いを設計デザインに反映する注文住宅でなく、規定の建売住宅をメインに扱っているハウスメーカーでは、仕事内容に新鮮さを感じにくいといったこともデメリッとして挙げられます。