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ハウスメーカーの現場監督になるには

ハウスメーカーの現場監督の仕事内容

ハウスメーカーの現場監督として働きたいと考えている人にとって、現場監督が担う仕事内容を把握しておくことは大切です。以下で詳しく現場監督の仕事内容を紹介します。

複数の現場をまとめる

複数の現場を同時に見ることが多い現場監督。ハウスメーカーの現場監督は一つの現場に留まることはありません。住宅の建築は比較的仕上がるのが速く、手順や規格も定められているため滞りなく進みます。そのため、現場監督が逐一指示を出すために付き添う必要がなく、簡単な確認作業をするだけで済むことも。どの現場でどのような問題が生じているのか把握して、スケジュールを調整するのが、現場監督の仕事の一つです。

品質の最終確認

一般的に、現場監督は作業の全体を把握していなくてはなりませんが、ハウスメーカーの場合はすべての工程を監視しなくても良いです。自社の合格基準に達しているかを最後に確認すればOKなので、主に各段階の最終確認を任されることになります。

最終確認だけすれば良いと聞くと簡単そうに聞こえますが、最終確認で見落としがあればその住宅は欠陥住宅となってしまいます。クライアント様に大きな迷惑がかかるだけでなく、信用が落ち、業績が悪くなる原因になりかねません。最終確認とはいえ気を抜かず、責任を持って取り組むことが大切です。

営業マンとの話し合い

営業マンとの話し合いをするのも現場監督の役割です。住宅の建築をハウスメーカーに頼む際には、営業マンと話し合いを重ね、できるだけ理想に近づけることが欠かせません。建築作業を進める中で問題が出てきたときや、オプションを追加したいとき、変更したいときなど、さまざまな場面で頼りになるのは営業マンです。クライアントの理想を誰よりも把握している人物なので、建築してからクレームが出ないようにするめにも、営業マンと協力して作業を進めると良いでしょう。

クライアントとの打ち合わせ

工事が始まると、クライアントにとって住宅の責任者は営業マンから現場監督へと変わります。そのため、現場監督は営業マンとだけではなく、クライアントとの打ち合わせも行わなくてはなりません。営業マンを仲介にクライアントの情報を聞いていたとても、理解できていない部分があったり、勘違いしていたりする可能性があります。直接クライアントと打ち合わせをして認識の齟齬を防ぎ、丁寧な接客で信頼を勝ち取りましょう。

地鎮祭などの取り仕切り

屋根の一番高いところの棟木を取り付けたときに行う棟上式や、工事を始める前に工事の安全を祈願する地鎮祭。現場監督は工事関係者として出席するだけでなく、取り仕切るのも仕事のうちです。地鎮祭では神主さんを招いて神事を行い、棟上げ式では儀式を行った後、2階からお餅をまいたり建物で食事をとったりします。

ハウスメーカーの現場監督が
人気なワケ

ハウスメーカーの現場監督は、給料やボーナスが高いこともあり人気があります。特に全国に支店を持っている業界の中でも、大手のハウスメーカーは高収入を目指しやすく、昇給制度やボーナスなど、待遇が整っている可能性が高いです。

また、施工管理技士1級の資格を所得している必要がないのも人気の理由でしょう。基本的に、現場監督になるためには施工管理技士の資格が必要ですが、施工管理技士の階級は1級と2級があり、1級を取得するのは至難の業です。相当勉強しなければならないのはもちろん、一定以上の実績と実務年数がなくてはなりません。一方で、2級は比較的難易度が低く、きちんと勉強すれば取得できると言われています。施工管理技士は国家資格の一つであり、工事の総額が4000万円~6000万円までの案件を担当する資格です。しかし、ハウスメーカーに依頼される住宅案件はこの限度内で収まるため、1級の資格を取らなくても良いのです。手を出しやすい資格で現場監督になれるのは、ハウスメーカーの魅力でしょう。

ハウスメーカーの現場監督のキツいところ

ときには20件以上もの住宅工事現場を掛け持ちすることになるハウスメーカーの現場監督。それぞれの現場で別の工程が進んでいるのを把握しながら、進行状況を確認しなくてはなりません。マルチタスクが苦手な方には難易度の高い職業だといえるでしょう。また、現場監督は責任者なので、トラブルがあれば対応するのも役割です。トラブルが複数の現場で同時に起こる可能性もあり、各現場に駆けつけなくてはならないため大変です。

加えて、職人さんとのコンタクトを取るのが難しい中、信頼関係をどう築くのかも現場監督の悩みの種。現場監督はかけもちで現場を持っているため一つの現場に滞在していることがありません。そのため、現場の職人さんと密にコミュニケーションを取る機会がないのです。しかし、職人さんとの信頼関係が崩れると工事を進める上で支障が出てきます。実際に家を作るのは職人さんなので、要望を聞いてもらえなくなるとスムーズに作業が進みません。人間関係を円滑に築く配慮も欠かせないのも、現場監督のキツいところでしょう。

なお、職人さんに認められる現場監督になる方法として、職人さんに負けない現場知識を持つことがあります。職人さんが行っている作業の大変さを理解するためにも、職人さんの仕事内容に関する知識を学んでおくことは大切です。できるだけ現場に足を運んで直接職人さんと会話をし、知識を体得していきましょう。そうやって場数を踏んでいくうちに、自然と職人さんが楽をしようとしているのか、それとも本当に必要のない作業なのかを見分けられるようになります。

デキるハウスメーカーの現場監督になるには?

積極的に建築現場を公開する

実際に建築している現場を公開してもらえると、依頼主は安心感を得られます。逆に作業工程が公開しないと不信感を抱かれ、信頼度が低迷してしまうでしょう。各工程の仕事内容を細やかに施工主へ説明すれば、より信頼してもらうことが可能です。積極的に建築現場を公開することは、手抜き工事をしていないアピールになるだけでなく、疑問点や意見の相違があればすり合わせる良い機会にもなります。

断熱、気密施工や品質確保がされているのを見せる

断熱素材がきちんと使われていることや、気密施工が施されていることは建築作業中にしか分かりません。快適な室内空間が確保されているかは、依頼主の気になるところ。断熱・機密施工がしっかりされているのを依頼主に見せてあげましょう。粗悪な素材を使用していないことが分かるだけでも依頼主は安心できます。耐久性に優れている素材を使用している説明も加えれば、依頼主の信頼を勝ち取ることができるでしょう。

分かりやすい説明を心がける

デキるハウスメーカーの現場監督は説明が分かりやすいです。説明が分かりにくかったり不足していたりするのと信頼度に欠け、依頼主からの支持を得られません。質問されたら丁寧に回答するのはもちろん、依頼主が質問しなくても、少ししつこいくらいに細かく説明してくれる現場監督ほど優良な現場監督とされる傾向にあります。なぜなら、説明できるというのはそれだけの知識と経験を有している証であり、懸命に説明する姿勢は依頼主に理解してほしいという誠実さの表れだからです。説明する際は専門用語を使いすぎず、できるだけ素人や一般人でも分かるよう、かみ砕いて伝えることを心がけるのもポイントです。

検査についての知識を身につける

建築作業に欠かせないのがたくさんの検査。基礎工事や水平計測、過重対策など、建築づくりに課されたチェック項目は多岐に渡ります。現場監督は検査について必要最低限度の知識がないと職務を全うするのが難しいです。デキるハウスメーカーの現場監督は検査で見落としがあると後で不具合が生じることを知っています。検査に関する知識を身につけておけば、トラブルを未然に防ぐのに役立つでしょう。

ハウスメーカーとゼネコンは違う?

ハウスメーカーの現場監督とゼネコンの現場監督では仕事内容が異なります。ハウスメーカーの現場監督が担当する現場を複数持っているのに対し、ゼネコンの現場監督が同時に複数の現場を任されることは少ないです。また、ハウスメーカーの現場は一戸建ての住宅工事がほとんどなので、ゼネコンよりも現場の規模が小さいです。施工管理技士2級の資格で対応できる程度の規模の住宅が対象となっているため、規格化されているケースが多く、仕事の流れをつかみやすいという違いもあります。

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