鉄骨造は、構造体に鉄骨を使った工法です。厚みが6ミリ未満の軽量鉄骨と、6ミリ以上の重量鉄骨の2種類があり、一般住宅では軽量鉄骨を使って建てます。ハウスメーカーによっては、重量鉄骨の戸建ても対応可能です。
鉄骨造は溶接やボルトで接合して建設する手法です。接合の仕方によって、柱と梁を接合する「ラーメン工法」、工場であらかじめ溶接した鋼材を現場で組み立てる「ユニット工法」に分けられます。工場で大量生産が行えるため、比較的コストが安価で済む工法です。
鉄骨造のメリットは、デザインの自由度の高さです。大空間を作ったり開口部を広くしたりしたい場合は、工法検討時の選択肢に入れておいていいでしょう。大きな窓から採光し、開放的な広いリビングを明るく照らしたいという要望に応えられるのは鉄骨造の強みです。
壁の配置に関しても、鉄骨造なら高い自由度を実現できます。将来的なライフスタイルの変動や介護を考え、最初からリフォームしやすい家を建てたい場合に、鉄骨造はおすすめです。また、家全体の強度という面でも木造より高めやすくなっています。耐震性の高い家にしたいという要望にも応じやすいのが鉄骨造のメリットです。
鉄骨造のデメリットは気密性や断熱性の低さです。木造と比較した場合、気密性と断熱性は低くなりがち。熱が伝わりやすいために、内部結露も起きやすくなります。また、内部結露によって起きるサビに対しての防錆処理の検討もマストです。
断熱や気密性が低い鉄骨造では、快適性を高めるために木造家屋と異なる対策が求められます。防錆以外に、断熱性を高める設備が必要です。設備に関するコストは、木造家屋より高くなる傾向があります。
対応できるハウスメーカーが少ない点も鉄骨造のデメリット。鉄骨造の家を建てられるハウスメーカーであっても、快適な住環境にする技術力までは持っていない場合があります。施主の側からすると建築を依頼するハウスメーカーの選択肢は狭まるのは難点。要望に応えられる業者かどうか、慎重に見極めなければなりません。逆に言えば、鉄骨造にきちんと対応できる技術力は、建設会社・現場監督にとって強みになります。