画像引用元:五洋建設公式HP
http://www.penta-ocean.co.jp/
五洋建設は前身の水野組(1896年創業)の頃から海洋土木を基本としてきました。水野土木の水野組とまで言われたその実績は、五洋建設となってからも変わることはなく、臨海部ナンバーワンを掲げることができるまでになっています。
コーポレートメッセージや経営理念などにも海洋土木に対しての揺らぐことの無い思いを感じることができます。
五洋建設のもっとも有名な海外工事はスエズ運河の改修プロジェクトです。当時日本で誰も経験のしたことの無い大規模工事に手を挙げ、見事に成功させています。
また、それだけではなく現在進行形でシンガポールでも800億円規模の埋め立てプロジェクトにも参加しています。
五洋建設のプロジェクトはアジア・アフリカ・ヨーロッパなどでも行われています。日本のみならず、海外の企業と比べても高い信頼性を誇っていることがこの事実から読み取ることができます。
臨海部と一口に言っても、そこで建設されるものは様々です。空港や港湾施設、トンネルや高層マンションまで臨海部にある様々なものの建設をワンストップで請け負うことのできる建設会社です。そのことから、海洋土木に限らず幅広いジャンルに対しても対応できる力があることが伺えます。
空港にしろ埋め立てにしろ、臨海部での工事はそのどれもが大規模な工事です。国内外問わずそのような仕事の需要は多いため、大規模な工事に関わる機会は多いと考えられます。
誰もが知っていて、多くの人が利用するような施設や設備の工事に関わることができれば、自分の中で大きなやりがいや誇りとなることは想像に難くありません。
五洋建設株式会社
所在地:東京都文京区後楽2-2-8
電話:03-3816-7111(代表)
五洋建設のトップメッセージでは、社員に求めていることとして「先見性」「勇気」「スピード」が挙げられています。この先どうなるかを想定できること、困難に飛び込むこと、スピード感をもって行動すること、この3点は海外土木のパイオニアとして活躍してきた五洋建設の実績を考えると納得のいく内容です。採用でも人物本位とあるのですが、この3点がクリアできていれば知識や経験などの面は十分カバーできる、との考えなのかもしれません。
とはいえ、自分がいかに先見性があるか、勇気があるかなどということを理解してもらうためには、どのような状況でどのような行動をとってきたかという実績は重要なポイントとなると考えられます。
テクノプロ・コンストラクションでは、五洋建設のような大手建設会社に派遣する人材に対して、施工管理の基礎をのみならず、ビジネスマナーやコンプライアンスについての研修も行っています。まずはこうしたところで実績を積み、現場監督としての素養を身につけることをおすすめします。
この現場に常駐している日本人は、工事所長と私の2人だけで、その他のスタッフ、およそ60名はシンガポールをはじめ、世界各国から集まってきています。そのため、意思疎通が最も苦労します。
業務に関することを伝えるときは、誤解を招くような表現は避けなければなりません。余計な修飾は可能な限り削ぎ落として、伝えたいことの核心を突くシンプルな表現を心掛けています。
この考え方は、施工管理にも通じるところがあります。潜在リスク項目の多い現場ほど作業は複雑になり工数も多くなりがちで、その分、安全管理や施工品質の難易度は高くなります。だからこそ、「安全面の確保」、「最良の施工品質」や「コスト」から逆算して、工数を必要最小限に抑えたシンプルな作業計画を立てることがカギだと思います。私の実力はまだまだですが、徹底的に考え抜くことで、現場に対する思い入れも深くなってきました。海外の現場は、一人ひとりの裁量が大きい分、そのやりがいも格別です。
建設業界は男性社員が圧倒的に多い業界で、五洋建設も土木施工管理を担当している女性技術者は、多くありません。私自身も入社前は、世間的なイメージから、施工現場での仕事は、ハードルが高いのではないかと、不安を感じたこともありました。しかし実際に働いてみると、その不安は杞憂に終わりました。現場は安全のための配慮、整理整頓がなされており、想像以上でした。また小名浜港の現場では、現場事務所だけでなく、浚渫船にも女性専用トイレを設置し、女性が働きやすい環境を整備してくれています。
そして何よりも、若手のうちからさまざまな仕事を任せてくれることに、やりがいを感じます。たとえば、埋立地内における安全対策。たくさんの工事車両が行き来する中、作業員が安全に働けるよう、どのように動線を確保すればいいのか、工事車両の運転者から作業員の視認性を高めるための工夫や熱中症対策など、検討すべき項目や対応策などはいくつもあります。これらを自分なりに検討し、問題がなければ実行するところまで任せてくれます。もちろん、分からないことがあれば、上司や先輩からアドバイスをいただけますし、私一人では解決できそうにないときは、フォローしてもくれます。 「自ら動くことを尊重」してくれるため、前向きな気持ちさえあれば、さまざまなことに挑戦する機会を得ることができるのです。
五洋建設では新人のうちから現場に出て、徹底的に現場のイロハを学びます。今の現場でも2人いる若手には、「職人さんたちと積極的にコミュニケーションをとれ」と言い続けています。ときには的外れなこと言って職人さんから叱られることもあるようですが、私の方からフォローを入れることは極力しないようにしています。叱られて覚えることもあるでしょうし、叱られたときの対応で職人さんから信頼されるようになることも少なくないと思います。
われわれ施工管理者と、職人さんたちの信頼関係が深まっていくと、現場に一体感が生まれ、突発的なトラブルが発生しても柔軟に、かつ的確に対処できるようになります。現場条件や工期が厳しいときも、イメージしたとおりに現場を動かすことができるようになります。
問題を乗り越えたときや、竣工したときの喜びや充実感も、一体感が強い現場ほど大きなものになるでしょう。このように、モノをつくるだけでない手応えを身にしみて感じることができるところが、この仕事の醍醐味だと感じています。
一日の作業が始まる前に協力会社のリーダーたちとその日の作業を再確認する。
現場の見回り後は事務所に戻って作業内容の確認や修正、設計担当などとの図面打ち合わせを行う。
午後、再び現場へ足を運ぶ。現場作業員とのコミュニケーションも現場の一体感を醸成するためには重要なこと。
現場の状況を踏まえて、次の日の作業内容を再確認。必要があれば変更して、協力会社をはじめ、資機材運搬会社など関係先と情報を共有する。
発注者と協議するための資料や協議書を作成。
発注者から連絡が入り、急遽対応のため向かうこととなる。
午後は現場へ足を運び、進捗状況や問題点など部下からの報告・相談を受ける
現場で協力会社の方と会話。現場での要望を聞く。
東西貿易の中継地であるシンガポールはコンテナ取扱量が世界トップクラスです。そのため、より効率的に取扱量を増やすために、西部にコンテナターミナルを集約しようという計画が進められています。五洋建設はそのプロジェクトの第一弾において、埋め立て工事をメインに受注しています。
該当の埋め立て作業に当たっては作業を行う工区が非常に狭いため、使うことが可能な重機が限定されていました。また、工期の設定もかなりタイトだったため、ケーソンと呼ばれるコンテナ船用の岸壁を作成するための作業場である製作ヤードから、早急に建設する必要があり、序盤から困難な状況でした。
タイトな工期に対応するため、五洋建設では新造船の『CASSIOPEIA V(カシオペア・ファイブ)』を投入しました。海底の土砂を取り去る浚渫(しゅんせつ)能力が高い上に自走能力もあるため、他の船に曳航してもらう必要がなく、工期短縮につながりました。
さらに、作業の予定や出てくるであろう課題を洗い出すことでより一層の工期短縮を図りました。
五洋は、シンガポールにおいて国の将来を左右するような大きなプロジェクトを任されるポジションにいます。それは、50年という長きにわたって、大勢の先輩方が道を切り開いてきた結果であり、私たちがその意志を次世代へつなげていくために、目の前にある一つひとつのプロジェクトに全力で取り組み結果を積み上げていくことが使命だと思っています。
取材協力会社
株式会社テクノプロ・コンストラクション
スーパーゼネコンをはじめとした、建設業界大手を中心に、質の高い技術を提供できる人材を派遣している、テクノプロ・コンストラクション。
2000名近い技術者のうち、未経験者からベテランまで幅広いメンバーが在籍しています。誰もが知っている有名なビルや施設など、数多くの優秀な建設技術者たちが活躍中です。 施工管理や建築について学べる1ヵ月の研修や、先輩担当者のフォロー・サポート体制が充実しているため、未経験で不安なかたもすぐに現場監督になれる環境が整っています。