画像引用元:鹿島建設公式HP
https://www.kajima.co.jp/
1840年(江戸時代)に、大工の棟梁、鹿島岩吉が創業。1858年の日米修好通商条約締結後は、横浜や東京で西洋館建築を請負い「洋館建築の鹿島」として有名になりました。
その後は鉄道工事や土木工事を得意とし、全国各地の鉄道工事を手掛けてきたことから「鉄道の鹿島」の地位を確立。また、1923年(大正12年)関東大震災の復旧工事、第2次世界大戦終戦後の復興や、土地整備、巨大ダム建設での活躍など、日本の経済の発展と近代化に貢献してきた歴史があります。
鹿島建設は、スーパーゼネコン5社の中で最大規模のグループを持っています。1964年には、日本の建設業では初めてとなるアメリカ現地法人を設立し、その後もヨーロッパ、アジアへとグループを拡げてきました。
現在の子会社は国内で11社、海外で117社と、特に海外で積極的にネットワークを拡大させていることがわかります。こうしたネットワークを活用し、建設事業だけでなく海外の開発事業も積極的に行っているという特徴があり、今後も積極的に海外へ展開していく経営計画も発表されています。
鹿島が最初に海外進出したのは、1954年。現在売上高では大林組に及ばないものの、鹿島の海外進出は他社よりも早く、バブルの頃は日本の企業で最も海外での売上高がありました。東南アジア方面でダムや発電所・ドッグ工事など、鹿島が得意とする土木事業は海外でも選ばれる技術力だったのです。
また、米国への本格進出も鹿島が最初です。1964年、ロスに現地法人を設立し、その後多くの建設業が海外へと進出していくようになりました。
現在は売上高より利益率の高い現地開発事業に力を注いており、今後はさらに海外での開発事業へ参加していく方針となっています。
鹿島建設に脈々と流れる進取の精神。進取の精神といえば、一般的には、みずから進んで物事に取り組むことですが、鹿島建設の経営理念には「全社一体となって科学的合理主義と人道主義に基づく創造的な進歩と発展を図り社業の発展を通じて社会に貢献する」とされています。
そして、その経営理念のとおり、鹿島建設には数々の「初めて」に取り組んできた歴史がありました。1872年、日本で初めての鉄道工事となった新橋〜横浜間の鉄道工事を請負い、1880(明治13)年には、朝鮮、台湾、満州でも鉄道工事を行っていました。
その後も、日本最初のコンクリート高堰堤によるダム工事や、日本初の高速道路工事、そして、いまでは当たり前となった高層ビル(霞が関ビルディング)を日本で初めて建設したのも鹿島建設です。
請け負う形で発展してきた鹿島ですが、進取の精神から、今は自ら需要を創造していくために、自主性を高めつつあります。
近年では不動産の証券化による再開発事業は、地方でも行われるようになりましたが、再開発事業に「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(SPC法)」を用いたのは鹿島が最初です。
また、高層ビルの建設だけではなく、その解体方法にも鹿島は世界初の技術を開発しました。だるま落としのように、下からビルを解体していく鹿島カットアンドダウン工法は海外でも話題になりました。これは、ジャッキを設置して建物の一階を支え、一階の解体が終わればジャッキダウン。今度は2階をジャッキで支えながら2階を解体していくという方法です。この工法は騒音が出にくく、廃材のリサイクル率も高いなどのメリットがあります。
スーパーゼネコン5社の中でも老舗に入る鹿島建設は、江戸時代から続く歴史のある企業です。しかし、保守的な企業ではなく、むしろ経営理念に進取の精神を掲げ、数々の「初めて」に取り組んできた会社でもあります。
日本で鉄道が普及していくのかもわからなかった時代に、鉄道工事に真っ先に参入した民間企業は鹿島です。鉄道関連の工事で多くの難工事を手がけ、鉄道工事から大規模な土木事業を手がけるようになった鹿島建設は、日本最初のコンクリート高堰堤によるダム工事や日本初の高速道路工事を行い、日本で初めて高層ビルを建築し、業界のパイオニア的な存在として躍進してきました。
他社に先駆けて海外進出に参入したのも鹿島建設ですし、土木技術、建築技術も鹿島によって生み出されたものは数知れません。
超高層ビルの建設や耐震技術、原発技術に高い強みを有しているのが鹿島建設のプロジェクトの特徴です。有名な建造物だけでも、霞が関ビルディング、両国国技館、西武ドーム、フジテレビ本社ビルなど多くありますが、東京駅八重洲口再開発や丸の内駅舎復原工事などの都市開発にも多くの実績があります。
その他、国内の原子力発電所や水力発電用ダム、トンネルなど土木に関しても実績が豊富で、東日本大震災の復興に携わってきたことから、今後は新世代制震装置の開発など具体的な計画も公開されているようです。
社名:鹿島建設株式会社(KAJIMA CORPORATION)
本社:〒107-8388 東京都港区元赤坂1-3-1
創業:1840年(天保11年)
設立:1930年(昭和5年)
資本金:814億円余
従業員:8,080名(2022年3月末現在)
代表取締役会長:押味 至一
代表取締役社長:天野 裕正
技術力の高さを強みにしている鹿島建設では、実績や資格を持ってないと中途採用で働くことは厳しいと考えられます。しかし、誰でも最初は新人です。新卒で鹿島建設に入る社員でさえ、決められた実務実績と時間をかけて資格を取得していくのです。
もしも、未経験から建設業界に入り、現場監督を目指すのであれば、まずは鹿島建設に対して技術者の派遣実績が多い人材派遣の会社で研修を終えてから現場に出て、現場監督になるために実績を積みながら、資格を取ることをおすすめします。
ただし、派遣会社にもいろいろなところがあるので、テクノプロ・コンストラクションのように、建設業界初心者に対して手厚い資格のサポートをしているところや、大手建設会社に社員を派遣しているところを選んだほうが効率よく資格の勉強ができることでしょう。
大学で学んだ土木工学の知識を活かして実際にものづくりをしたいと思い、ゼネコンへの就職を決めました。施工管理以外にも設計や研究部門でも経験を積めるだろうと思った事が鹿島建設に志望した決定打です。海外に出るチャンスがあることも魅力を感じています。
現在は東京外かく環状道路の建設工事、詳しくは高速道路のコンクリート構造物を地中に構築する作業を行なっています。現場での私の業務は品質やコスト、工程、安全、環境のマネジメントなどの施工管理、そして4名の部下の担当する工事を総体的にみて調整することです。各作業の優先度を判断し、滞りなく進行できるようマネジメントしています。
同じような工事があったとしても、様々な条件下で同一のものは一つもありません。唯一無二の大きなものづくりに挑んでいることを意識するたびにこの仕事の魅力を感じます。鹿島建設では現場管理の独立採算制を採用しているため、所長の権限が大きいのが特徴です。自分も現場での実績や考えてきた方法を所長として現場で試してみたいです。
父がゼネコンで施工管理の仕事をしており、小さい頃から父が携わったダムなどの大きな構造物を見る機会があり、土木の世界に憧れていました。自分自身もそんなものづくりをしたいと思いゼネコン一本で就活。業界でもトップクラスの会社で働きたいと思い鹿島建設を選びました。
鉄道地下化工事を担当して三年になります。入社してから二つ目の現場ですが、鉄道工事のため夜間工事があったり、都市部で作業スペースの確保も難しいなど苦労が多くあります。新入社員の頃のように一から仕事を覚えていき、今やっと一人前の工事係としてフル回転できるようになりました。
担当する日々の業務を着実に積み重ねることで、近い将来構造物が出来上がり、その時の達成感を楽しみにしています。現状では先輩を頼って作業をしているような状態で、まだ将来の目標は決まっておらず、今はとにかく1人で業務をこなせるようにしたいという当面の目標で頑張っています。
中学のころから宮大工に憧れており、建築学科のある大学に進みました。大工職を志望していましたが途中断念し、それでも建築現場でものづくりができればと思い施工管理を目指しました。鹿島建設を選んだのは現場見学で職人が先輩社員に君のためならやってあげるという会話を聞き、その信頼関係に魅力を感じたからです。
最初は区役所や文化センターなどの複合施設新設のプロジェクトに配属。現場では資材も道具もよくわからず、職人の作業内容もわからず、ただただ質問を繰り返していました。二つ目は商業施設の新築工事に配属。建築系の写真が少なかったので、山留工事や掘削工事などにも携わる事ができました。常に相談に乗ってもらえる心強い上司や先輩に恵まれて毎日充実した時間が過ごせました。
更地からビルが建つまでを経験する事ができます。不手際で職人に叱られたこともありますが、その都度反省し職人との信頼関係を深め、そこまで言うならやってやろうと思ってもらえる存在になりたいです。
今はまだ現場を走り回ってトラブルの解決に追われているのが実情ですが、今後は問題の発生予測ができるよう知識や経験を積んで作業効率を良くできる施工管理者となりたいです。
文系でも、建設現場に入り建物が建つ様子を身近に見ることができ、目に見える形で成果を感じることができる。 様々な業種の方と仕事で関わることが多いため、多様な考え方を身につけられると思う。 文系は縦、横のつながりともに良く、業務でわからないことがあっても気軽に相談できる環境。 しかし、現場所長、直属の文系上司ガチャ要素もあり、「ハズレ」現場に当たってしまうと精神的に追い込まれやすい一面もある。 会社もそこについては敏感になっているため、素直に言えばすぐに配置換えを行ってくれる。
文系でも、建設現場に入り建物が建つ様子を身近に見ることができ、目に見える形で成果を感じることができる。 様々な業種の方と仕事で関わることが多いため、多様な考え方を身につけられると思う。 文系は縦、横のつながりともに良く、業務でわからないことがあっても気軽に相談できる環境。 しかし、現場所長、直属の文系上司ガチャ要素もあり、「ハズレ」現場に当たってしまうと精神的に追い込まれやすい一面もある。 会社もそこについては敏感になっているため、素直に言えばすぐに配置換えを行ってくれる。
引用元:OpenWork(https://www.vorkers.com/company.php?m_id=a0910000000FqfJ)
現場代理人の権限が一番。培った知識や人脈をフルに発揮でき、計画も原価管理も全て思い通りに出来ること。 さら、全社の各部署の支援を受けられる。そのため、難易度の高い工事や工区が多くチャレンジしがいがある。(後略)
引用元:OpenWork(https://www.vorkers.com/company.php?m_id=a0910000000FqfJ)
古い体質や文化を変えるために、ICTや考え方を採用し、これからの発注工事に対応した体質変化を急いでいる。
引用元:OpenWork(https://www.vorkers.com/company.php?m_id=a0910000000FqfJ)
7:00 出社
朝礼後、メールなどのチェックを行います。
8:15 現場巡回
作業の指示や確認を行います。
11:30 打ち合わせ
13:00 現場巡回
打ち合わせで出た課題をチェック。
16:30 現場巡回
1日の作業を最終確認。
17:00 打ち合わせ
翌日の指示書などの書類を作成。
18:30 退社
建築施工を担う社員の1日のスケジュールです。
2016年から約2年間、埼玉県幸手市で進められた大型物流倉庫建設プロジェクトを携わっています。
この倉庫は、高速道路のインターチェンジに近く、関東エリアへものを出荷する際の拠点です。高密度収納と高出荷効率を実現している物流倉庫でなければ意味がありません。
このプロジェクトにおける建物の総延床面積は約4万2000m2、地上4階建てです。
主に、ものづくりに欠かせないプロツール(工場用副資材)を取り扱っています。建物を物流の拠点にふさわしい「Tool Box」と捉えるようにしました。
「Human(人が集まる快適な空間)」「Products(商品が集まる安心・安全の空間)」「Environment(自然が集まる環境に優しい空間)」の3つのコンセプト(デザインを含む)で構成された個性的な建物を設計。
それだけ設計者が強いこだわりを持っていることを感じられるものになっています。一般的な倉庫に求められるレベルの精度や内装よりも、さらに高いレベルの施工が求められていると実感しました。
杭や免震、鉄骨、内装の工事など工事全体を円滑に進めることが現場に求められていることです。
大きなプロジェクトと言うこともあり、社内メンバーや協力会社とコミュニケーションを密にとりました。相互理解と情報共有をすることが最も心掛けている点です。
実際の施工では、より高い精度を求められました。さらに倉庫だとしても仕上がりの美しさを確保することも大切です。それを象徴している点が1階から4階までの吹き抜け空間でしょう。
上部がトップライトとなっているため、光が上から差し込むと細かい凹凸でも影が目立ってしまいます。その影を極小化するため、何度もチェックを繰り返し、やり直しを重ねました。
最終的に美しい空間を演出することができました。この吹き抜け空間だけでなく、外観もふまえ設計者のこだわりに応えた建物になっています。
倉庫とは思えないほどの「美しい建物」を完成させることができたと実感しているところです。
この大型物流倉庫建設プロジェクトでは、担当以外の工事進捗も極力把握することが必要でした。工事の優先順位を理解することで、現場全体の調整ができる力がついたと思います。
とても勉強になった現場です。迎えた竣工式では「いい建物ができた」と、非常に喜んでいただきました。また、この物流倉庫の写真が鹿島建設の社内報の表紙に採用。
同僚の間で話題となったことも嬉しい出来事です。私が仕事をする上で最も大切にしているのは「建物を実際に建てるのは、作業員の方々である」ということ。
私のような現場監督は、人に指示を出し、人を動かす立場です。実際に作業を行っている方々をリスペクトする気持ちや相手の立場に立つことがなければ、相手も指示に従ってはくれません。
作業員の立場を思いやることこそ、いいものづくりへとつながっていくと確信しています。
「私がいる現場なら一緒にやりたい」と作業員から言ってもらえる、頼られる現場監督を目指して日々奮闘中です。
鹿島建設は、日本だけでなく海外での開発も盛んに行っています。その一つがシンガポールで現地企業と共同開発をすすめている「ウッドレイ住宅・商業複合開発」です。
このプロジェクトはシンガポールの地下鉄である北東線ウッドレイ駅に直結する住宅や商業用地における複合開発事業です。このエリアは緑豊かな場所で、自然環境に恵まれた新興住宅地。
667戸の分譲住宅や延床面積2万7000m2にもなる巨大なショッピングモールなどがあります。それ以外にコミュニティー・クラブや警察署で構成される超大型開発プロジェクトです。
エンジニアリングマネージャーとして住宅での工事の計画から、図面のチェック、内装の仕上げの計画までをまとめています。専門業者やチームのメンバーと活発な議論を重ねて、計画を作成。
発注者や設計担当者に提案し、了承を得てから工事を進めています。
日本とは文化も異なるため、シンガポールの文化を重視しながら計画をすすめなければいけません。シンガポールの生活スタイルなどを現地でチェックし、より快適な空間作りを行っていきます。
シンガポールでの「ウッドレイ住宅・商業複合開発」は、非常に大きなプロジェクトです。このプロジェクトには建物以外にも道路の上に大型の橋を築造する作業が含まれています。
さらに地下鉄や近隣施設を結ぶトンネルもあり、難しい工事が多数施工する必要があります。
住宅建築においては、工場で内装まで仕上げたコンクリートの箱を現場で組み立てるPPVCという工法を採用することが義務付けられています。
また、このプロジェクトのコンセプトは「Japanese Quality」です。そのためシンガポールの会社と各国のスタッフと共に、“日本品質”での施工を進めることが欠かせません。
PPVC工法は日系の会社ではじめて採用する新しい工法です。そのため現場だけでなく、構造設計から工場の品質まで、しっかり管理することが大切になってきます。
さらに管理体制を日本人の視点から見つめことも重要でしょう。
異国と言う難しいプロジェクトだからこそ、一つ一つの作業を丁寧に実施することが大切です。現地の人と密にコミュニケーションを図り、スムーズに開発が行えるように進めていきます。
プロジェクトにおける私たちエンジニアの役割は、お客様や設計担当者の想いを汲み取り、実際に施工する人と一緒に最良のカタチを考え、ものを生み出すことです。
そのため、お客様からチームメンバー、作業員一人ひとりまで、丁寧なコミュニケーションを継続することが必要不可欠です。
朝から晩まで絶え間なく指示・依頼をし、さらにその間でミーティングを行う必要があります。それを実践するためにも、嫌いな人を作らず、一人ひとりを大切に思うことが重要でしょう。
どんな相手に対しても親しみを持って、コミュニケーションを取り、仕事を楽しむことを心がけています。
担当する住宅工事は2020年の上旬に着工、2022年の竣工に向けて本格化します。エンジニアリングマネージャーとしても正念場を迎えるでしょう。
この大きなプロジェクトを無事竣工に導き、この現場を節目に大きく成長したいと考えています。
取材協力会社
株式会社テクノプロ・コンストラクション
スーパーゼネコンをはじめとした、建設業界大手を中心に、質の高い技術を提供できる人材を派遣している、テクノプロ・コンストラクション。
2000名近い技術者のうち、未経験者からベテランまで幅広いメンバーが在籍しています。誰もが知っている有名なビルや施設など、数多くの優秀な建設技術者たちが活躍中です。 施工管理や建築について学べる1ヵ月の研修や、先輩担当者のフォロー・サポート体制が充実しているため、未経験で不安なかたもすぐに現場監督になれる環境が整っています。