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独学で資格は取れるの?

施工管理技士には受験資格がある

施工管理技士になるための技術検定は、建設業法第27条に基づき、国土交通大臣指定機関が実施する国家試験です。施工管理に携わる方には必要不可欠な資格で資格取得には大きなメリットがあります。

しかし、受験資格には、学歴で違っている、満たさなければならない実務経験などが以下のように詳細に決められています。

<1級建築施工管理技士の受験資格>

指導監督的実務経験を1年以上含んでいる場合

  • 大学の指定学科を卒業して3年以上の実務経験がある方
  • 大学の指定学科以外を卒業して4年6か月以上の実務経験がある方
  • 短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業して5年以上の実務経験がある方
  • 短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業して7年6か月以上の実務経験がある方
  • 高等学校の指定学科を卒業して10年以上の実務経験がある方
  • 高等学校の指定学科以外を卒業して11年6か月以上の実務経験がある方
  • 上記学歴によらない場合は15年以上の実務経験がある方
  • 二級建築士試験合格者で合格後5年以上の実務経験がある方
  • 2級建築施工管理技術検定合格者で合格後5年以上の実務経験がある方
  • 2級建築施工管理技術検定合格証明書交付後5年未満の者で短期大学がある方
  • 高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業して9年以上の実務経験がある方
  • 2級建築施工管理技術検定合格証明書交付後5年未満の者で高等学校の指定学科を卒業して9年以上の実務経験がある方
  • 2級建築施工管理技術検定合格証明書交付後5年未満の者で高等学校の指定学科以外を卒業して10年6か月以上の実務経験がある方
  • その他の者は14年以上の実務経験 がある方

専任の主任技術者を1年以上含んでいる場合

  • 高等学校の指定学科を卒業し8年以上の実務経験がある方
  • 高等学校の指定学科以外を卒業し9年6か月以上の実務経験がある方
  • その他の者は13年以上の実務経験がある方
  • 2級建築施工管理技術検定の合格者で合格後3年以上の実務経験
  • 2級建築施工管理技術検定合格証明書交付後5年未満の者で短期大学がある方
  • 高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業し7年以上の実務経験がある方
  • 2級建築施工管理技術検定合格証明書交付後5年未満の者で高等学校の指定学科を卒業して、7年以上の実務経験がある方
  • 2級建築施工管理技術検定合格証明書交付後5年未満の者で高等学校の指定学科以外を卒業して、8年6か月以上の実務経験がある方
  • 2級建築施工管理技術検定合格証明書交付後5年未満の方その他は12年以上の実務経験がある方

<2級建築施工管理技士の受験資格>

  • 大学の指定学科を卒業し1年以上の実務経験がある方
  • 大学の指定学科以外を卒業し1年6か月以上の実務経験がある方
  • 短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業し2年以上の実務経験がある方
  • 短期大学高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業し3年以上の実務経験がある方
  • 高等学校の指定学科を卒業し、3年以上の実務経験がある方
  • 高等学校の指定学科以外を卒業し4年6か月以上の実務経験がある方
  • その他は8年以上の実務経験がある方

実務経験が必要

施工監理技術者には、施工計画、安全管理、品質管理、工程管理などの事項において、技術的応用力や人を効率的に動かす指導力やマネージメント能力も求められます。

また、最近では、法令順守や環境への意識の高まりからリユースやリサイクルなどへの取り組みにも配慮しなければなりません。こうした能力は、日々の業務のなかで自然と身についていくものです。

そのため、実務経験が特に重視されています。

合格率は低く下がり気味

監理技術者の人材不足が社会問題になっていますが、資格取得のためには学科試験と実地試験があります。ここ10年の傾向として、両方とも合格率は下がってきています。

国土交通省も危機感から受験資格等の見直しを行っているようですが、監理技術者の不足は、なかなか改善しない様子です。

独学、通学、通信講座のメリット・デメリット

施工管理技士の試験は、択一式問題と記述式問題が出題されます。合格率は20%~40%程度と決して高くはありません。

独学

  • メリット:費用が安く済む
  • デメリット:挫折の可能性が大きい

通学

  • メリット:効率よく勉強できる
  • デメリット:学費が高く仕事との両立が困難

通信講座

  • メリット:自宅で勉強ができる
  • デメリット:お金がかかる、モチベーションが続かない

それぞれの方法のメリットデメリットを比較して、自分に合った勉強方法を選ぶことが大切になりますが、実際に資格を取った人には何か工夫があるのかもしれません。

独学におすすめの勉強法

独学で合格を目指す場合におすすめの勉強方法をご紹介します。

選択式問題を対策する

試験問題は「選択式の問題」または「選択式以外の問題」に分けられます。試験の傾向として、選択式ではない問題の場合、正解するためには問題の本質の理解が必要です。反面、選択式問題の場合には、対策を行うことによって問題を全て理解していなくても正解に辿り着ける場合もあります。そのためにも、「選択式問題の癖」を理解しておくことがポイントとなってきます。

もちろん、それぞれの問題を理解して解くことが理想的ではありますが、選択問題の全てに目を通して「この分野の選択問題はこの部分を覚えるのがポイント」といったように癖を暗記していけば、独学での合格に近づけるでしょう。

1冊の問題集を繰り返し解く

同じ問題集を繰り返し解くことも合格に近づくポイントです。何度も繰り返して問題を解いているうちに、「なんとなくこの問題は見覚えがある」といった状態になってくるはずです。復習をしながら何度も解いていれば、記憶に定着していきます。

同じ問題集を何周もしていくうちに、記憶に定着していく割合が増えていきますし、間違った問題の復習も楽に行えるようになっていくでしょう。試験対策を行う場合にはさまざまな問題集に手を出したくなりますが、まずは1冊の問題集に集中してしっかりと解けるようにすることがポイントです。

問題集を中心に勉強する

資格を取得するために勉強する場合、まずテキストを理解してから問題集に取り組みたくなりますが、問題集を中心とした学習をした方が効率的に進められます。

とにかく問題を多く解き、わからなかった部分を復習するという方法で進めていきましょう。ただし、どうしても理解できない・苦手であると感じる分野がある場合には、参考書を読んでから問題を解くという方法にシフトするという方法もあります。

ただし、参考書はあくまでも補助で使用するというイメージを持ち、まずは問題集中心に勉強を進めていきましょう。

モチベーションを維持するために

勉強を続けていくためには、モチベーションの維持がポイント。ここでは、どうすればモチベーションの維持ができるのかといった点について見ていきましょう。

計画を立てる

モチベーションを維持するためには、まず合格までの計画を立てましょう。合格するためにはどのくらいの時間が必要かを算出した上で、合格に向けての行動を設定していきます。この時大切なのは、「無理のない計画を立てる」ということです。

勉強をしていく中では、どれくらい自分が勉強したかを振り返ることもモチベーション維持のポイントとなってきます。

勉強をする環境整備

集中力を途切れさせずに勉強を継続するためには、環境づくりも大切です。

例えばテレビはつけない、スマートフォンは近くに置かないなど、気が散らないように工夫をしていきましょう。スマートフォンがすぐ近くにあると、思わず手に取ってしまい気づいたら1時間経過していたということもあります。

この状況が繰り返されると、結局勉強がなかなか進まずモチベーションも継続できません。

勉強を習慣化する

試験に合格するためには、「毎日勉強する癖をつける」という点も大切です。そのためにも、できる限り試験までの期間は毎日机に向かって「勉強を習慣化する」ことを目指しましょう。

仕事と勉強を両立するために

仕事をしながら合格を目指す方も多いでしょう。そこで、仕事と勉強を維持するためにはどうしたら良いのか、という点についてまとめました。

スキマ時間を活用

誰にでも「スキマ時間」があります。例えば電車通勤やバスで通勤している場合には通勤時間がスキマ時間になりやすいので、この時間を利用して勉強を進めていきましょう。

1回1回は短い時間かもしれません。しかし毎日の積み重ねでかなりの勉強時間とすることができます。