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建設機械施工管理技士の資格を目指す

建設機械施工管理技士とは?

「建設機械施工管理技士」とは、建築機械を用いる工事に関し、品質管理や安全管理を行うために必要な国家資格のことです。また、一定金額以上の工事を行う場合には、建設機械施工管理技士の資格を取得している人が常駐することが定められています。

資格の特徴

建設機械施工管理技士の資格を持っている場合には、建築機械を使用する現場において主任技術者や監理技術者になることもできるため、建築業界での活躍の場が広がります。現在、多くの建築・土木の工事現場では建設機械を使用していることから、今後も需要が期待できる仕事といえます。

さらに、資格を取得すると「特定自主検査員(車検員)」の資格が付与される点も建設機械施工管理技士の特徴です。この資格を取得することにより、会社が保有している建設機械の検査を自ら行えるようになります。

資格の取得方法

建設機械施工管理技士の資格は1級と2級の2種類があります。それぞれ、国家試験の「建設機械施工技術検定」を受験して合格することで取得することが可能ですが、試験難易度や受験資格などが異なります。

2級建設機械施工管理技士の場合、試験は年2回行われます(ただし前期:第1次・第2次、後期:第1次のみ)。また、1級建設機械施工管理技士の場合の試験は年1回となっています。

資格取得の条件

建設機械施工管理技士の資格取得を希望する場合には、受験資格を満たし、試験に合格する必要があります。ここでは、2級・1級の受験資格と合格ラインを紹介します。

2級の場合

2級建設機械施工管理技士の受験資格は、下記の通りとされています。細かい規定などは、日本建設機械施工協会の検定試験ホームページを確認ください。

  • 大学で指定学科を卒業している場合、受験する種別に実務経験6ヶ月以上、他の種別の実務経験を通算して1年以上あること

また、試験の合格ラインは一次試験(旧学科試験)の場合6割以上の得点、また二次試験(旧実地試験)の場合7割以上の得点が基準とされています。ただし、合格ラインについては試験の実施状況などにより変更される可能性もあります。

1級の場合

1級建設機械施工管理技士の受験資格には細かい規定があるため、この記事では代表的なものを紹介します。下記のような条件を満たす必要がありますが、細かい規定は日本建設機械施工協会の検定試験ホームページを確認ください。

  • 大学で指定学科を卒業し、指導監督的実務経験もしくは専任の主任技術者としての実務経験1年以上を含む実務経験が3年以上あること
  • 短大、高等専門学校の指定学科卒業後に専門士とされ、指導監督的実務経験もしくは専任の主任技術者としての実務経験1年以上を含む実務経験が5年以上あること
  • 指導監督的実務経験1年以上を含む実務経験が15年以上あること

1級建設機械施工管理技士を取得したいと考える場合、必ずしも2級の資格を取得する必要はないものの、2級を取得しておくことで、より短い実務経験で受験資格を得られます。このことから、できるだけ早く1級の資格を取得したいと考える場合には、まず2級の資格取得を目指し、そこから1級取得を目指すことがおすすめです。

1級建設機械施工管理技士の試験合格ラインは、一次試験・二次試験ともに6割以上の得点が基準となりますが、こちらも試験の実施状況などにより変更される可能性があります。

建設機械施工管理技士の資格取得のメリット

ここでは、建設機械施工管理技士の資格を取得するメリットをご紹介します。

監理技術者になれる

一級建設機械施工管理技士の資格を取得した場合、大規模な工事で監理技術者として活躍できるため、資格取得により活躍の幅を大きく広げられる点がメリットのひとつといえるでしょう。また、自分自身としても責任のある仕事を任されることによって仕事に対してやりがいを感じられるのではないでしょうか。

また、大きな工事を受注できるようになるため、会社側としても大きなメリットがあるといえます。

建設機械の特定自主検査ができる

1級建設機械施工管理技士の資格を取得した場合には、該当する講習の受講義務が免除され、労働安全衛生法第45条第2項に規定されている車両系建設機械の事業所内特定自主検査者の資格を得られます。

このことにより、検査事務所に検査を依頼せずに済むため、経費を抑えられるというメリットがあります。

機械の運転技能講習が免除

建設機械施工管理技士資格を取得すると、労働安全衛生法で定められている各種運転技能講習の全部または一部の免除が受けられます。対象となる技能講習としては車両系建設機械(整地・運搬・積み込み及び掘削用運転技能講習・基礎工事用運転技能講習・解体用運転技能講習)、不整地運搬車運転技能講習があります。どの講習が免除になるのかといった詳細の情報については、最寄りの労働局や労働基準監督署へお問い合わせください。

講習が全てまたは一部免除となることにより、時間と経費が削減できます。

転職に有利

建設機械施工管理技士の資格取得者は、建築業界では需要が高いために転職をする際にも有利に進められる可能性が高いといえるでしょう。資格としての歴史が古いこと、さらに国家資格であることから信頼度が高いという点が理由のひとつです。さらに、難易度がやや高めの試験となっていることから、転職市場にこちらの資格を持った人があまりいないといった点も、転職活動を有利に進められる理由となっています。

建設機械施工管理技士は、建設機械を使う工事現場に欠かせない資格であるため、この資格を持つ人を積極的に採用したいと考えている企業も多いはずです。

キャリア・給与アップに有利

仕事をする中でキャリアアップ・給与アップを目指したいと考えている方も多いでしょう。

会社の規定にもよりますが、資格を取得した社員に対して資格手当が用意されていることもあります。手当の額はそれぞれの会社により異なりますので、この辺りは自分の会社の場合はどうなっているのかを確認しておくことをおすすめします。

さらに1級建設機械施工管理技士の資格取得によって、より責任のある仕事を任されるようになります。このことが評価につながり、キャリアアップできる可能性もあるといえるのです。

必要な勉強時間

試験に合格するためには具体的に何時間必要、というデータは見つけられませんでしたが、建設機械施工管理技士試験の合格を目指すためには、本番試験までのスケジュールを立て、実行していくことが大切です。

仕事をしながら受験をする場合には、例えば平日は1時間勉強し、休日は3時間勉強するといったように、1日何時間くらい勉強するかを考えてみましょう。早めに勉強を始めれば、理解度に応じてスケジュールの調整を行うこともできます。

勉強方法

建設機械施工管理技士資格を取得するための勉強方法としては、参考書による独学や動画教材、専門学校などさまざまな方法があります。ここでは、勉強方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

参考書

勉強方法のひとつとして、参考書を使った独学という方法があります。参考書を使った勉強の場合は自分のペースで進めていきやすい点がメリット。また、参考書さえ持っていればいつでもどこでも勉強可能です。

ただし自分でスケジュールをしっかりとコントロールすることが難しい場合には、あまり向いていない方法かもしれません。さらに独学の場合にはわからない部分をそのままにしない、という点を忘れずに行いましょう。

動画教材

建設機械施工管理技士試験の内容について解説している動画を見ながら勉強する、という方法もあります。講師が講義を行っている様子を見るというスタイルですが、「見たい部分を何度も見られる」という点がメリットといえるでしょう。

またインターネット経由で提供される動画教材の場合には、パソコンはもちろんスマートフォンやタブレットでも閲覧できますので、少し空いた時間に勉強するということも可能です。

さらに動画教材の場合には、特典としてEメールなどでわからないことを質問できるという特典がついている場合もあります。

専門学校

建設機械施工管理技士試験対策のコースを用意している専門学校に通うという方法も一つの選択肢です。試験までのスケジュールをしっかりと立てた上で、試験の内容について解説を行ってくれますので、独学では難しいと感じている方におすすめの方法といえます。

さらに、専門学校の場合は講師から直接教えてもらえますので、わからないことがあればすぐに質問可能な点が大きなメリットと感じる人も多いでしょう。

勉強のコツ

試験の合格を目指すためには、コツを押さえながら勉強していくことが大切。ここでは、建設機械施工管理技士試験に合格するために知っておきたいコツをまとめています。

過去問を繰り返し解く

まずは過去問を繰り返し解く、という点がポイントです。実際の試験では、過去問題と同じような問題が出題されるといったケースも多く見られますし、過去問を解くと自分の苦手な分野について知ることができます。さらに、出題傾向についても把握できるといった面もあります。

過去問を解く場合には、解説にも目を通すという点も意識しながら進めていきましょう。解説を読むと、問題の本質についてもしっかりと理解できます。

必須問題を優先的に勉強

試験では「選択問題」と、より優先度が高い「必須問題」の2種類があります。必須問題は全問回答する必要があり、配点が高いことから、試験対策の勉強をする場合にはまずは必須問題から取り掛かりましょう。必須問題の学習が済んだら、次に選択問題の学習に取り掛かるようにすると効率的といえます。

経験記述を対策

施工管理技士の試験では、第二次検定の経験記述問題がネックになるケースも多いといわれています。経験記述は、施工経験を元にして出題テーマに関する記述を行うことになりますが、この時のポイントは客観的に見ても伝わりやすい文章で記述すること。そのため、他人が見て伝わりやすい文章が書けているかどうかは自分では判断が難しいため、第三者に評価してもらうことが重要。上司からフィードバックしてもらうなどしながら、対策を行っていきましょう。

建設機械施工管理技士に求められる業務内容

建設機械施工管理技士の主な業務内容は、建設機械を使用する工事に関わる計画や、現場の施工管理・工程管理・品質管理・安全管理などが求められます。

建築機械は、人力だけでは難しい工事現場に欠かせないものです。その建築機械を使用することによってスムーズに工事を進められるようになりますが、万が一操作を誤ってしまうと周囲に危険をもたらす可能性があります。そのため、建設機械施工管理技士がしっかりと管理を行った上で、作業を進めていくことが求められるのです。

建設機械施工管理技士の将来性

現在の工事現場では、建設機械は欠かせない存在となっていますし、より機械化が進められていることから、建設機械施工管理技士の資格は今後も需要が続くと考えられます。

また、建設機械施工管理技士の資格を持つことによってさまざまな現場に関わることができるため、キャリアアップやスキルアップに役立てられるといえるでしょう。さらに、年収アップや転職にもつなげられる資格でもあります。

ただし、2級建設機械施工管理技士の場合には対応可能な業務範囲が狭いため、大規模な工事も担当できる1級建設機械施工管理技士に比べると需要が低い傾向があります。そのため、転職に活かしたい、年収アップを目指したいといった希望がある場合には、1級建設機械施工管理技士の取得を目指すことがおすすめです。