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現場監督による「声かけ」

このページでは、現場監督が現場の職人や作業員と信頼関係を構築する上で重要になる、声かけについて解説しています。

現場監督の「声かけ」が
現場の雰囲気を作る

「声かけ」はPDCAサイクルを支える土台

現場監督は安全管理の一環として、作業手順書や作業計画書といった資料を作成し、その内容に基づいて職人や作業員と事前の打ち合わせを行います。また、その中で気づいたポイントや注意点があれば、改めて手順書や計画書へフィードバックし、より安全で効率的な工事計画を考案していくといった流れをとります。

このような流れはPDCAサイクル(計画・行動・チェック・改善)と呼ばれ、安全管理やプロジェクトの進捗管理をする上で非常に重要です。

現場監督からの「声かけ」は、実際にPDCAをまわすにあたって、あらゆる部分で効果を発揮してくれるコミュニケーション手段の一つ。普段から積極的に声かけをすることで、工事や計画に関わる全員が互いに連携しながら、行動の足並みをそろえたり、チェックの質を高めたりといったことが可能になります。

声かけの目的は安全意識や目的意識の共有

現場監督や作業員が他の人へ声かけをする時、その目的は単なるあいさつや会話だけではありません。

例えば重たいものを複数人が協力して持ち上げたり運んだりする場合、互いに声を発してタイミングを合わせることで、安全性を高めつつ、作業効率も向上するきっかけになるでしょう。また他人に声かけを行うことで、自分自身に対しても同様の注意を促すといった効果も発揮します。

加えて、現場監督が意欲的に声かけを行うことで、現在の状況や現場でどのような点が重要であるのか、作業に関わる全員が改めて理解できることも重要です。

特に、新人が参加した現場や、作業スケジュールが厳しく全員の意識が焦りがちになっているような現場では、現場監督が落ち着いて声かけをすることで、冷静さを取り戻して安全かつ効率的な作業を維持できる環境を生み出せるでしょう。

人間関係や信頼関係を
強化する声かけ

人と人の関係はコミュニケーションが基盤となっており、声かけは人と人のコミュニケーションの基礎となります。

声かけは、必ずしも注意点を指摘したり安全意識を促したりするために使われるものでなく、むしろ日常的な会話や単なるあいさつといった言葉を交わすことも立派な「声かけ」の1つです。

単純接触効果(あるものに触れる回数が多いほどそれを好きになる現象)が証明されているように、小さな声かけを続けることで信頼関係を構築できるので、積極的に行わない手はないでしょう。

現場監督として「声かけ」を
行っていくには?

声かけは普段の会話の
延長上にある

現場監督として働いている人の中には、なかなか自分から他人に声かけを実施できないといった人もいるでしょう。

特に日常的に他者と会話やコミュニケーションを取っていない人は、いざという時に言葉を発することができず、声かけを適切に行えない可能性があります。

必要な声かけを欠かさないためにも普段から職人や技術者とのコミュニケーションを意識しておくことが大切です。

反論されることも
想定しておく

相手のためを考えて声をかけても、反論されたり不満を見せられたりすることもあるでしょう。そのような時、押し黙ってしまえば現場監督として威厳を保つことができません。

もしも反論された場合でも、どのように応えるのか、最初の一声だけでなく次の言葉も普段から考えておくようにしてください。

相手の人格を尊重して
距離感も大切に

声かけにはコミュニケーションが重要ですが、必要以上にプライベートへ立ち入ったり、冗談だと思った言葉がハラスメントになったりすれば本末転倒です。

声の調子や言葉づかいといった「言い方」を意識するだけでなく、相手の立場や人格を尊重して、適切な距離感を意識することも必要です。