現場監督の仕事はルーティングワークでないため、未経験者からスタートする場合、一人前に成長するにはある程度の期間が必要です。こちらでは、現場監督として一人前になるまでの期間や、成長するための行動などを詳しく紹介していきます。
一人前の現場監督になるには、5年~10年の期間がかかると言われています。それは、現場監督の仕事は、日々の繰り返し学習が難しいという理由があるからです。
現場監督の仕事は「現場単位」で変わり、日々流動的な働き方になります。一度経験した工種を次回実践するチャンスは次の現場になってしまうというケースも多く、2度目の経験は半年後、1年後という可能性が大いにあります。2回目、3回目の経験を重ねるスパンが長いため、全ての工種を身に付けるのに5年近い年月がどうしてもかかってしまうのです。
現場監督は多岐多様な仕事があり、それらをひとつずつマスターしていかなくてはなりません。各工程・工種をマスターするためには、目標計画を立て、記録を残すことが大事です。
計画性なく仕事をしていると、一見忙しくて実績を残しているように錯覚してしまいますが、その経験が次回に活かせているかどうかは疑問です。進む先を見極め、実績を身に付けるためにも下記のような方法でスキルを習得していきましょう。
スキルと実績を身に付け、安心して任せてもらえるような現場監督になるには、目標を持ち、計画を立てて、経験した仕事内容を記録するという「自分の成長を視覚化」することが大切です。
まず初めに、現場監督としてこれから学ぶべき事柄や、今知らないことを箇条書きにしてみましょう。
例として幾つか挙げてみます。
【覚えるべき事柄】
この他にも足場やコンクリートなどの工程など、携わっている現場各所の仕事も把握しておく必要があります。思いつくだけでもかなりの数になり、リスト化することで今の自分に何が必要なのかが明確になります。
さらに、箇条書きにしたリストを優先順位に並べ替えます。そして学ぶ期間を書き加えると、より明確に行動に移せます。
などです。
上記のように作成した目標計画リストを、見える位置に貼っておいたり、データ化して持ち歩くなどいつでも確認できるようにしておきます。
そして、達成した項目は「達成」とリストに記入してクリアしていきましょう。次々にクリアにしていく過程は達成感がありますし、今、何が足りないのかも明確になります。こういった日々の積み重ねが、大きな力になっていくのです。
自分の言葉で日記をつけたり記録に残すことも重要です。記録をつけるメリットは、一日の成果を振り返り作業内容を復習することができます。また、言語化や文章力も身に付き、過去を振り返ることで成長を確認することが可能です。
ただし、日記に費やす時間をかけすぎると日々の負担が重くなって継続できなくなる可能性も高いため、日記は5分~10分程度、文章は短く簡潔にまとめるようにしましょう。
現場監督は未経験からでもできる仕事ですが、一流の現場施工技術者として成長したいのであれば、社会人としての基本と積極的に周りとコミュニケーションを取る姿勢が必要です。
現場監督に限ることではありませんが、社会人として必要な基本的な仕事への姿勢や事項を徹底しましょう。周囲へ挨拶することや学ぶ姿勢、間違ったときはミスを認める素直さなど、礼儀正しい姿勢は欠かせない要素です。
初めての事柄はわからなくて当然ですが、何回も同じ質問をすることがないよう、教えられたことはメモにとり復習し、頭に入れるように心がけましょう。
大前提として、コミュニケーションスキルが低すぎる人は現場監督に向いていません。
現場監督の仕事は、クライアントや外部の業者、現場の職人・作業員と密に関わり、それらの人達と良い関係を築くことが大切な職種です。
積極的にコミュニケーションを取り、各方面とうまく付き合って信頼関係を築ければ、意見や依頼もしやすくなり工事が円滑に進みます。
現場監督の仕事は、柔軟的で流動的という働き方の特性上、一人前に成長するには時間がかかります。しかし、多岐多様の知識を身に付けることができ、異なる現場で経験を積めるため、好奇心旺盛でコミュニケーション能力の高い人にとっては、面白みのある仕事とも言えます。
建築業界の慢性的な人手不足の解消するため、最近では教育体制の力を注いでいる企業も増えています。転職の際は、自分の成長をサポートしてくれそうな会社選びをしてください。