建設業を離れる現場監督は、建設業退職金共済制度によって退職金を受け取ることができます。
建設業退職金共済制度(建退共とも呼ばれる)とは、中小企業退職金法に基づき国によって作られた退職金共済制度のことです。この制度は、現場監督(施工管理技士)はもちろん、大工や鳶、配管工、電気工事士などを対象に、福祉の推進と雇用の安定を図るために作られました。
建設現場で働いている人たちは、一定の期間ごとに現場を転々としたり、勤め先が変わることがままあります。建設業退職金共済制度は、建設業界に勤めている間は元請け・下請けなどの会社規模などを問わず、所属する勤め先が変わったとしても退職金を積み立てられるというのが特徴です。そして、建設業界を辞めた際には、退職金を受け取ることがでます。
それでは、具体的に建退共のしくみと加入方法を見ていきましょう。
先述した通り、建退共は国が運営する退職金制度です。事業所や現場勤務に関わらず建設業界全体が適用対象となり、国で定めた基準によって計算された退職金が確実に支払われる仕組みです。
また、国籍や職種、給与形態、役付けを問わず被共済者になることができます。共済の掛金は、事業主が負担します。
建退共への加入は、事業主が申し込みます。
事業主は、「建設業退職金共済契約書」および「建設業退職金共済手帳申込書」に必要事項を記入の上、建退共各都道府県支部に提出します。労働者全員が被共済者になるように手続きを行う必要があります。
退職金共済契約が結ばれると、「共済契約者証」と、新たな被共済者に対して「退職金共済手帳」が交付されることになります。
被共済者が所持する退職金共済手帳に証紙の貼付することで、掛金の納付実績を登録されます。
掛け金は事業主が支払うもので、従業員の就労日数に応じて掛け金分の共済証紙を共済手帳の貼付します。1冊250日分が満了したら、事業主が建退共支部で更新手続きを行います。
建退共から退職金を受け取ることのできるのは、建設業を辞めたときです。現事業所を辞めたとしても、同業界へ転職する場合は退職金を受け取れないので注意しましょう。退職金は被共済者本人、もしくは遺族から請求すれば受け取れます。
ただし、退職金を受け取るには12カ月以上分の共済証紙が貼り付けられていることが条件です。それ未満の場合は退職金を請求ができません。(平成28年3月31日以前は、24カ月以上必要)
退職金請求の際には、「退職金請求書」に必要事項を記入し、以下の必要書類等を持参して都道府県支部に提出します。
最後の“その他必要証明”は、退職金を請求する理由によって異なります。
例えば、独立して仕事をはじめた場合は、最後の事業主又は事業主団体の証明。怪我や病気によって仕事ができなくなった場合は、最後の事業主の証明又は医師の診断書。被共済人が死亡した場合は、戸籍謄(抄)本の原本と請求人の住民票、被共済者の住民票除票などの書類が必要となります。
参照元:建設業退職金共済制度「退職金試算」( https://www.kentaikyo.taisyokukin.go.jp/taishokukin/taishokukin01.html )
退職金は請求手続きを行った後、約1カ月後に支払われます。受け取りは、直接窓口に出向くか、口座振込が可能です。
建退共への加入は、建設業で働く人であればほとんどの人が可能ですが、下記の要項に該当する労働者は加入できないので注意しましょう。
尚、3の場合、各共済制度から建退共に移動することは可能です。これまで納めた掛け金を引き継ぐかたちとなります。
退職金が受け取れるか否かは、従業員にとって大きな問題です。掛け金は従業員が負担するわけではないため、転職・就職先を選択する際は、建退共に加入しているかどうか確認しましょう。老後の資金や今後の人生を考えたうえで、福利厚生が整った企業を選んでください。