かねてより、離職率が高いととさている現場監督ならびに建設業界。実際のところはどうなのでしょうか?最新のデータをリサーチしてみました。
令和3年(2021年)の調査結果によると、建設業の離職率は9.3%となっており、他の業界と比べても決して高い数字ではありません。むしろ生活関連サービス業・娯楽業の28.6%や宿泊業・飲食サービス業の23.8%よりも大幅に低い離職率となっています。
参照元:(pdf)厚生労働省(令和3年雇用動向調査結果の概況)
上記の通り、近年では建設業界の離職率は下落傾向にあります。バブル崩壊以降は10%台半ばから後半で推移していたものの、2002年の18.6%をピークに、下落傾向に転じています。このことからも、建設業界の労働環境は改善が進んでおり、結果として離職率も下がっていると見受けられます。
ご覧の通り、建築業界全体の離職率は低下している反面、現場監督の離職率は今なお高い傾向にあります。とある調査では大卒で約30%、高卒で約50%となっているとのこと。そこには、現場監督という職種ならではの理由があるようです。
近年では改善傾向にあるものの、それでも建設業界というのは長時間労働を強いられてしまいがち。悪天候その他の理由で進捗が遅れ、工期が迫っている場合は休日返上となることも珍しくありません。
加えて、現場監督はその現場の責任者であり、課せられるプレッシャーも大きなもの。工事期間中はたとえ休日であっても、工事のことが常に頭の中にあり、プライベートを充実することが難しいということも挙げられています。
それこそ会社や現場にもよりますが、建築業界には気性が荒い、気難しいといったクセのある人材も多い傾向にあります。コミュニケーション力が高く、人間と接することが苦にならない方であれば問題ありませんが、そうした人間関係が上手くいかずに辞めてしまうというケースも、少なくないようです。
現場監督という仕事は大きな責任を背負っており、プレッシャーやストレスの度合いも並大抵ではありません。それゆえ、給与や待遇が仕事内容に見合っていないと離職してしまうケースも多く見られます。
以上の通り、建築業界全体では労働環境の改善が進んでいるものの、現場監督という仕事はまだまだ過酷な側面が残っているというのは否めません。しかし、それも会社の方針や体制、環境整備の度合いによって大きく左右されます。また自分との相性や合う、合わないもあるでしょう。
未経験から現場監督を目指す場合、人材派遣として建設会社で働くことから始めてみるのも一考ではないかと思われます。充実した研修体制・サポート体制が整っている派遣会社を選び、経験を重ねていく過程で、自分に合う会社や現場に巡り会えるかも知れません。