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空調と衛生の設備設計

設計次第で快適性が大きく変わる空調・衛生設備とは

空調と衛生の設備設計は、建物の快適性を左右する重要な要素です。豪華絢爛でオシャレな家も、空調と衛生設備に問題があると過ごせなくなります。現場監督が知っておくべき「空調と衛生の設備設計のポイント」について解説します。

空調はなんのために必要?

室内温度に大きく関係する

空調と衛生の設備設計を重視する目的は、住居の快適性に直結するからです。自分の家は安心して過ごせる環境を、長期的に保たなければなりません。しかし、夏に暑く汗が止まらず、冬に寒く体が震える環境下では、家族全員不満を抱えたまま過ごす羽目になります。

問題を解決するには、空調設備を設けて、こまめに温度調整するのが一番です。空調設備の設計では、スムーズな給気と排気の流れを考えなければなりません。日照や遮光と一緒になってはじめて機能するため、その点を踏まえた設計が求められます。

給排水・通気・消火設備やガス設備などの諸設備

衛生設備に関わるものは幅広く当てはまります。給排水やガスや衛生器具や消火設備など、快適に生活する上で、なくてはならない設備ばかりです。給排水だけ見ても、水道から出る水やトイレで流す水まで人は毎日水を使いますが、快適に使用するには衛生設備をしっかり構築していなければなりません。

水が流れる通り道である給排水管のサイズも、量に合った適切なものにしないと、不具合がすぐに生じるでしょう。外から見えない、壁の中の配管の設置場所の選定も重要です。浄化槽や消火設備やガス設備も、トラブルが起きないよう配置しなければなりません。

省エネルギーや土壌汚染のことを考えた設計も求められます。問題があれば、住む人の健康問題に発展しかねない重要な要素です。

設備設計で行う具体的な内容

設備設計は、設備全般の設計を行います。施工は設計に基づいて進んでいくため、ちょっとしたミスでも根本的な問題に発展するために重要です。

単純に設計書を作成するだけではありません。発注者とどのような設計にするのか打ち合わせを行います。発注者が了承すれば、基本設計と実施設計を行う流れです。

基本設計で、施工のための予算配分、機器の容量を決定して実施設計を行います。設備設計で、快適性や機能性、耐久性やデザイン、安全、環境まで多くの内容を決定するために重要です。

設計が完了しても、どの程度の予算が必要か、部材や機器の見積もりなど行うのも制度設計の段階で行います。

空調設備と衛生設備工事の種類

空調と衛生設備設計が関わる工事は複数あります。

空気調和設備工事

空調に関わる工事です。室内の温度や湿度や気流や空気清浄の設備を施工します。空気調和設備工事は人のための対人空調と、生産環境を整えるための産業空調の2種類です。騒音や振動、化学物質の影響や省エネルギーも踏まえた設計が求められます。

給排水衛生設備工事

水に関わる設備工事です。キッチン、お風呂、洗面所など、水回りの設備工事です。給湯設備やガス設備も給排水衛生設備工事に含まれます。

環境衛生設備工事

汚水処理に関する設備工事です。し尿浄化槽や汚水処理や塵芥処理、公害防除設備などが当てはまります。設計時の注意点は、環境やインフラにも関係することを理解してあたるべき施工です。設計や工事にミスがあれば住居の快適性を損ないますし、土壌や水への環境汚染の原因になりかねません。

消火設備工事

万が一のときのための、消火設備の設置工事です。スプリンクラーや消化器や火災報知器、避難はしごなどが当てはまります。火事は、人の生命や財産、パソコンやスマホに入っている貴重なデータも一気に失われる災害です。守るためにも、必要な設備でしょう。

特殊管設備工事

冷蔵や冷凍や輸送設備を備えている工場では必須です。家屋やオフィスで設置することは、例外を除いてほぼありません。

設備設計の仕事で信頼感がアップする資格

空調を含む設備設計にあたって、必ず必要な資格はありません。ただ、信頼されるための客観的な判断基準として、設備設計に関する資格があります。また、設備設計を深く理解し、自信を持って行うための基礎知識を身につけるためにも、資格の勉強は有効です。

管工事施工管理技士は管工事のプロフェッショナル

戸建てから、大型商業施設まで建物に必要なのが配管です。管工事施工管理技士は国家試験で、配管設置のための知識と技術を保有していると認められるプロフェッショナルです。空調と衛生管理を行う上で配管は必要なため、保有していると信頼性が増します。

1級と2級があり、1級を取得すると、特定建設業における「営業所ごとに置く専任技術者」や現場に必要な「監理技術者」として認められるのが特徴です。合格により、建築整備士の受験資格を得られます。

2級も一般建設業の専任技術者や主任技術者になれるため、建築業界に関わるなら武器になる資格です。

空気調和・衛生工学会整備士資格は建築設備をする上で有利な資格

空気調和・衛生工学会整備士資格は、工学科整備士ともいわれています。公益社団法人・空気調和衛生工学会が主催しており、試験に、設備計画や設計や施工の基礎知識が出てくるのが特徴です。試験に合格したということは、空調と衛生工学に関して専門知識と技術を有していると認められます。建築整備士の受験資格を得られますし、建築業界では一目置かれる資格です。

建築整備士は建築設計資格でも上位資格

空調や給排水や電気関連の建築設計と、建築士に工事監理のアドバイスができるようになります。学歴や実務経験に条件があり、建築設備関連の上位資格です。1級建築士より合格がむずかしいといわれており、学科の一次試験合格率は30%前後の狭き門になっています。

設備設計1級建築士は設備設計関連最高峰の資格

受験資格は1級建築士のみで、設備設計に関する資格でも最高峰です。3階以上で床面積合計500メートル以上の建物などの建物では、建築士法により、設備設計1級建築士が自分で設計に携わる設備関係規定の適合性の確認などが義務づけられています。1級建築士の取得と実務経験5年以上の条件の設定もされている資格です。

まとめ

戸建ても大型建築物も、空調と衛生設備は必須です。知識と技術を得るだけではなく、資格もあるため取得すれば、建築業界でも一目置かれる存在になれるでしょう。