プレハブは工場で部材を作り、現場で組み立ていく建築手法。鉄骨か木質か、ユニットかコンクリートかなどの系統があるものの、工法自体は同じです。
工場で作られた部材を組み立てる工法のため、現場作業を含めて工期が短くできるのが特徴。規格が決まっているため品質は安定しており、職人の技術力に左右されません。ただ、規格が決まっているからこそ、間取りやデザイン性の柔軟度が低い難点も。「将来的に特定箇所だけリフォームしたくても困難」という点には留意したほうがいいでしょう。
木質系は規格が決まった部材を工場で一括生産するため、品質が安定します。工期が短くて済み、コストがリーズナブルなのがメリットです。
ただ、コストは設計と建てる土地次第で変動。想定より高くなる場合があります。デザインや間取りの柔軟性がない点はデメリットです。
鉄骨系は木質系より丈夫。基本的なメリットは木質系と同じで、品質が安定している点にあります。通常は軽量鉄骨が用いられますが、3階建て以上であったり要望があったりする場合には、重量鉄骨が採用されるケースも。
デメリットは木質系と同じく、柔軟なデザインや間取りの要望に対応しにくいところ。鉄骨には複数種類があり、業者ごとに使っているものが違います。新たに鉄骨を選定する際は慎重に行いましょう。
ユニット系では、工場で箱型のユニットを生産していきます。外壁や間仕切り壁もすべて工場で取り付けておくため効率的です。現場に運ばれたユニットは、その場で組み立て。短い工期で済ませられるのがユニット系のメリットです。
また、家を構成する部材の8割ほどを工場で生産するため、品質は安定しているのも強み。ユニット系の主流は鉄骨ですが、木質系もあります。また、耐久性や耐火性や遮音性が優れているのも魅力です。
コンクリート系では、プレキャストコンクリートパネルを工場で生産。組み立ては現場で行います。屋根・壁・床の六面体、箱形の構成にするのが特徴です。
コンクリート系には低層住宅の「薄型中型コンクリートパネル」と、中高層住宅の「大型コンクリート」があります。現場で組み立てたら、防水処置や内外の仕上げを実施して完成です。
プレハブは品質が安定しており、工期も短くて済む建築手法。ただし、注意点も多くあります。デザインや間取りの自由度が低い点はデメリットです。現場まで完成した部材を運ぶため、狭小地のような特殊な土地だと建てられないケースがあるのも要注意ポイント。メリット・デメリットを押さえた上で、施工の選択肢に加えましょう。