現場監督のタマシイ|現場監督になるには?未経験で現場監督になるための情報ガイド » 現場監督の仕事内容 » KY活動やKYTってどういうもの?

KY活動やKYTってどういうもの?

KY活動とは

KY活動とは危険予知活動のことで、現場で起こりうる災害の未然防止を目的とした取り組みです。

建設現場ではちょっとしたヒューマンエラーや機械の故障などにより災害につながる危険性があるため、職場全体でKY活動を推進しながら安全な現場づくりに取り組んでいく必要があります。

KY活動の進め方

KY活動は、主に次のような流れで進めていきます。

  1. 業務の開始前に、その作業にどのような危険が潜んでいるかを職場全体で話し合う
  2. 話し合いであがった危険なポイントについて、どうすれば未然に防げるのか対策法を考える
  3. 業務を開始したら1人ひとりが危険ポイントを確認し、決定した対策に基づいて行動する

現場で起こりうる災害については実務経験が長い人ほど過去の経験から具体的な例をあげやすいため、KY活動の推進にはベテランの積極的な参加や協力が重要になります。

また、厚生労働省が設立した安全衛生情報センターの発表によると、製造業における災害の原因は人の不安全行動(ヒューマンエラー)が9割を占めているとのこと。そのため、KY活動においても、ヒューマンエラーに着目しながら災害の未然防止に向けた話し合いを進めていきましょう。

KY活動に役立つ安全ミーティング報告書について

KY活動を進めるうえで取り入れたいのが、安全ミーティング報告書です。安全ミーティング報告書は危険予知活動報告書とも呼ばれ、KY活動で話し合った内容を記録として残すことができます。

安全ミーティング報告書を導入するメリットとしては、KY活動の記録を残しておくことで万が一災害が起きた場合に、安全対策が十分だったかの再検証が可能になること。再検証により安全対策が不十分だったことが分かれば別の対策法を検討できるため、再発防止に役立てることができます。

安全ミーティング報告書に法律で定められた保存期間はありませんが、工事完成後も万が一のトラブルに備えて3~5年ほど保存期間を設けておくと安心です。

KYTとは

KYTとは危険予知訓練の略称で、現場に潜んでいる危険要因を発見し、危険要因が起こす可能性のある問題の解決能力を高める訓練を指します。

KYTを行なう理由としては、危険に対するアンテナの感度を高くすることで労災の未然防止、そして危険を回避するための行動を習慣化させるためです。KYTの手法としては解決法と行動目標を4段階に分けて決める「4ラウンド法」が一般的で、そのほかにも1人KYTやヒヤリハットKYTなどの手法があります。

KYTで代表的な4ラウンド法の進め方

1.現状把握

5~6人のグループを組み、KYT用のイラストシートを使う、または実際の現場を確認しながらどのような危険が潜んでいるかを話し合います。次に、話し合いであがった危険要因により、どのような事故が想定されるか意見を出し合いましょう。

たとえば、脚立にのぼって行なう作業の場合に考えられるのは「バランスを崩したことによる転倒」「上の棚から物が落ちてくる可能性」など。危険要因をあげる際は、上の棚から物が落ちてくる可能性のように周囲の環境に潜む危険要因も含めて考えることが大切です。

この段階では本当に事故が起こりうるかは別として、考えられる案はとにかく出し合い、あがった意見は紙やホワイトボードなどにすべて書き出しておきましょう。

2.本質追及

あがった意見の中から、特に危険なポイントを絞り込みます。危険要因を絞り込む際は、多数決で決めるのではなく、メンバー全員が納得できるものを選出しましょう。

次に、絞り込んだ危険要因をメンバー全員で指差ししながら「~なので~になる、ヨシ!」と読み上げる指差し唱和を行ないます。

3.対策樹立

第2ラウンドで絞り込んだ特に危険なポイントを防止するために、解決法を話し合います。グループの代表者が1人ひとりに具体的かつ実行可能な方法を聞いていき、最終的にグループとしての実践的な行動内容をまとめた対策案を全員で考えましょう。

4.目標設定

グループで対策案を出し合ったら、次は最重要項目に絞った行動目標を設定します。行動目標を設定する際は、危険を解決するための行動かつ前向きな内容にするのがポイントです。

設定した行動目標に合わせて実際の作業で指差し呼称をし、労災の未然防止につなげましょう。