サブコンは英語の「subcontractor(サブコントラクター)」からきており、下請け業者という意味合いを持っています。具体的にはゼネコンが元請けとなる建築工事や土木工事において、一部の電気設備や空調設備など各専門分野の設備工事を担当する業者のことです。
サブコンが請け負う主な仕事は大きく分けて次の4つで、サブコンによって得意とする工事が異なります。
さまざまな専門領域が混在する建設工事をゼネコン1社だけで行なうのは不可能なため、建設業界において専門的な知識や技術を持つサブコンは必要不可欠な存在です。
日本の建設業界は「重層的ピラミッド構造」とも呼ばれ、発注者(施主)を頂点に元請け、下請け、孫請けと工事が進んでいくのが特徴です。発注者から工事一式を担う元請けがゼネコンであり、下請けとなるサブコン各社に対して工事の一部を外注していく流れになります。
重層的ピラミッド構造におけるゼネコンの役割は、現場全体の安全管理をはじめ、工程管理や品質管理、原価管理などの管理業務を行ないながらサブコンが円滑に工事を進められるようにすること。一方で、サブコンは各社が持つ専門性という強みを生かし、得意とする分野の工事を行なう役割を担っています。
ゼネコンは現場全体を統括する役割を持っていますが、すべての工事においてサブコンがゼネコンの指示で業務を進めているわけではありません。ゼネコンとサブコンの関係性は、工事の契約形態によっても変わってきます。
発注者からゼネコンが工事一式を受注し、一部の設備工事をサブコンに外注する方式です。サブコンは設備工事の図面に基づいて、ゼネコンと工事の納まりや施工方法などを調整しながら実際に工事を進めていきます。
発注者がゼネコンとサブコンそれぞれに工事を別で依頼する方式です。一括請負よりも施工の工程や予算が明確になるほか、ゼネコンがサブコンに外注するのにかかる手数料を節約してコストを抑えられるのがポイント。ただし、工事現場に必要な仮設事務所やトイレなどの設備をゼネコンとサブコンが各社で設置しなければならず、コストが二重でかかるデメリットもあります。
発注者が設備工事を行なうサブコンを選定し、サブコンと工事費を取り決めたうえで現場管理の経費を上乗せしてゼネコンに発注する方式です。別途工事は発注者がゼネコンとサブコンそれぞれと直接契約を結びますが、コストオン工事の場合は元請けのゼネコンのみとの契約になるのが特徴。
また、発注者とサブコンの間で取り決められた金額でゼネコンがサブコンと下請契約を結ぶほか、仮設事務所やトイレなどの設備の設置もゼネコンが一括して行なうため、費用を明確にして余分なコストを抑えられるメリットがあります。
サブコンは高い専門性が求められるため、その分野のスペシャリストとしてスキルを磨きたい、活躍したい人にぴったりの現場です。
人材不足の課題を抱えている今の建設業界において、専門性の高い人材は特に重宝されます。そのため、将来独立を考えている人は、サブコンで経験を積んでおくというキャリアプランも選択肢として持っておくと良いかもしれません。