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現場監督の仕事でよくあるトラブルと対策法

「現場監督の仕事でよく見られるトラブルが知りたい」「トラブルが発生した場合はどのように対処すればいいの?」と疑問に思っている方もいることでしょう。

当記事では、現場監督の仕事でよく見られるトラブルとその対処法について説明していきます。現場監督を目指している方はぜひご一読ください。

建設現場はトラブルが発生しやすい

建設現場では現場監督や職人など大勢の人が一緒になって働いているため、トラブルやミスなどの問題が発生しやすくなっています。工程や段取りが重要な職場環境なだけに、些細なトラブルが大きな問題に発展してしまうケースも。そのため現場監督は現場を取り仕切る者として、さまざまなトラブルへの適切な対応能力が求められます。

建設現場でよくあるトラブル

ここでは建設現場でよく見られるトラブルを紹介していきます。

近隣とのトラブル

近隣の方から、騒音や粉じんなどによるクレームが入ることがあります。騒音は防音シートを正しく使用できていない・決められた時間帯以外に工事をした・あらかじめ通知した内容以外の工事を行ったなどの原因でトラブルになるケースがあるため、注意が必要です。

粉じんトラブルは、養生シートを正しく使えていなかったり、シートの破損や劣化があったり、散水ができていなかったりすることが原因です。

騒音や粉じんに対する対処法は以下の通りです。

  • 騒音トラブルには防音シートを正しく使う
  • 防音ガードフェンスを利用する
  • 工事の時間帯に制限があるか確認する
  • 現場周辺を養生シートで覆う
  • 養生シートの劣化や破損がないか確認する
  • 近隣の方へ挨拶を行う

防音シートを正しく使うと外部へと漏れる音が小さくなるため、トラブルを未然に防ぎやすくなります。防音シートを使えるスペースがない、あるいは一次的な防音対策で済む場合は、防音ガードフェンスの使用も検討するとよいでしょう。また地域によっては、工事の時間帯に制限があったり騒音レベルについて決まっていたりするため、事前に確認するようにしてください。

粉じんトラブルを防止するためには、現場周辺を養生シートで覆うようにしてください。養生シートの破損や劣化の有無は、あらかじめ確認しておく必要があります。

また近隣の方とトラブルを防ぐためにも、事前にあいさつをしっかりと行っておきましょう。責任者が直接あいさつを行い事前の説明を行うことは、トラブルが生じた時の印象に大きく関係します。工期が延びることになった場合も、忘れずに説明しておきましょう。

従業員とのトラブル

現場では、従業員が急に仕事に来なくなった・急に辞めたなどのトラブルが見られる場合もあります。理由としては、何か大きなトラブルがあった・限界を超えるまで不満が蓄積した・理由もなく急に辞めたくなったなどさまざまです。従業員の中には、現場でのミスに対して上司から注意されたことを理由に辞めてしまう人もいます。

従業員が急に来なくなってしまうと、工事の工程に遅れが生じるリスクがあり、またクライアントにまで損害を与えてしまう可能性もあります。

従業員とのトラブルを防ぐための対処法は以下の通りです。

  • 採用面接は経験や技術面だけではなく、人柄や社風との相性も考慮する
  • 入社時に雇用契約書や誓約書を取り交わす
  • 職人との面談を定期的に行って不満がないかヒアリングする

面接の際は経験や技術だけではなく、人柄や社風との相性まで考慮したうえで採用することが重要です。

入社する際には、誓約書や雇用契約書を取り交わして、無責任な行動はリスクを伴う可能性があることを前もって説明しておくとよいでしょう。連絡が取れなくなるトラブルを防ぐために、雇用契約書に身元保証人の記載欄を設けておくのも一つの手段です。

また、入社後も職人と定期的な面談を行ったり、コミュニケーションをしっかり取ったりしておくのも有効です。

労働環境上のトラブル

従業員の労働時間を正しく報告していないと、さまざまなトラブルに発展するため注意しなければなりません。業務負担を減らすために労働時間をきちんと管理していなかったり、気に入らない従業員の労働時間を短く申告したりするケースもあります。

労働環境上のトラブルを防ぐ方法は以下の通りです。

  • 従業員自ら打刻する
  • 作業終了後の速やかな終了報告を義務づける
  • 業務を効率化するツールを活用する

トラブルを防ぐため、従業員が自分で打刻する仕組みをつくるとよいでしょう。また作業終了後は速やかにチャットまたは口頭で終了報告と労働時間について報告してもらうと、ミスの予防に繋がりやすくなります。打刻・報告に関して、業務を効率化できるツールを活用するのもおすすめです。

現場でトラブル・ミスが起こったら?

ミスが起こらないように対策することも大切ですが、万が一起きてしまった際にスピーディーかつ適切に対応することが重要です。ここではトラブルやミスが起きた時の対処法について詳しく紹介します。

二次被害の防止

業務の中で何らかのミスを起こしてしまった場合でも、なかったことにしようとするのは絶対にやめましょう。ミスそのものを帳消しにできるわけではないため、二次被害の防止に取り組む必要があります。1つのミスを引きずる・解決を先延ばしにしてしまうと、さらなるミスの誘発や連鎖的なトラブルが生じたりする可能性があるため、注意しなければなりません。

上司へすぐに報告

ミスが起こった際には、直属の上司・責任者など予め決められた相手に対して速やかに報告を行いましょう。叱られることを避けるために1人で解決しようと焦ってしまう方もいますが、内容によっては取り返しのつかない事態を招いてしまうため注意が必要です。

事態の悪化を防ぐためにも、正直に報告し、打開策を一緒に考えるのが望ましいでしょう。

損害の計算

ミスやトラブルが発生した場合、現場監督は損害金額についても考慮しなければなりません。コストに影響しない程度のミスであれば問題ないかもしれませんが、影響を与えてしまう内容であれば速やかに損害金額を計算する必要があります。

ミスを取り返して、元の状況に戻すためにはどのくらいの費用がかかるのか考えましょう。複数の方法がある場合には、それぞれのパターンで要する金額を算出しておくのがベターです。

自己判断で謝罪しない

ミスやトラブルが発生した際は、クライアントや関係企業などへ謝罪する必要がある場合も。しかし謝罪が必要な事例か、そうではないのか見極めることは重要であり、何でも謝れば良いわけではありません。

クライアントや企業側に何らかの問題があり、それによってミスが生じるケースもあります。状況を見極めずに謝罪してしまうと、先方に責任がある事柄でも自分たちの責任にされてしまうリスクがあるため、自己判断で謝罪しないよう注意が必要です。

改善策の提示

謝罪を伝えるだけでは、クライアントや企業側も納得できません。先方は謝罪よりも、今後どのように責任を取るのか対処法について見ています。謝罪に伺うまでの間に、改善策などについてしっかり整理しておきましょう。そして謝罪と一緒に、それらのプランも伝えるのがよいでしょう。

改善策やプランが不十分だと、いくら誠心誠意込めて謝罪をしたとしても向き合ってもらえない可能性が高いため、事前にしっかり考えく必要があります。

まとめ

現場監督は現場を取り仕切る立場として、建設に関する専門的な知識やスキルを持つことはもちろん、マネジメント力や折衝力が非常に重要だと言えます。

トラブルが起きた時、自分だけで何とかしようせず上司に相談して対処法を考えるなど冷静に対応するよう心がけましょう。