CPDとは、建築士や技術士などの知識と技術の研鑽を図るのと同時に、資格取得後も勉強を続けているかがわかる指標のひとつです。CPD制度とはなにか解説します。
CPDは建築士や技術士、建築施工管理技士や土木施工管理技士などを対象といた継続教育制度です。セミナーや講習会を受講すると、CPD単位を得られます。CPD単位により、技術者の研鑽度の見える化を実現しているのです。
資格者も、日々進歩していく業界の知識や技術を勉強しなければすぐに対応できなくなります。更新がない資格の場合、自己研鑽をなまけてしまう人もいるかもしれません。仕事を依頼する側にとっては、資格取得後も自己研鑽をしている方に依頼したくなるのは当然です。
実力を図るものとして実績はありますが、新しい知識や技術力を取得しているかどうかはわかりません。そのとき、CPD単位が参考になります。
CPD単位を見て依頼者は「自己研鑽を続けている、続けていない」を簡単に見極められるからです。技術者のほうも、自己研鑽に対する意識が強まりますし、自分を紹介する要素のひとつになり得ます。実際、行政機関も入札を行うとき、CPD単位で加点するなど評価対象になっているのです。
CPD単位を取得するには、建設系CPD協会加盟団体認定の講習会やセミナーへの出席が求められます。受講した実績はCPD単位として登録される仕組みです。つまり、講習会やセミナーに出席すれば、CPD単位は蓄積されて見える化されます。
技術士、建築士、建築施工管理技士、土木施工管理技士など、資格取得者であれば参加可能です。2018年には、電気工事施工管理技士や管工事施工管理技士も新しく対象として加えられる動きも出てきました。建設業界全体の知識と技術力向上に一役買っている制度といえるでしょう。
参照元:建設系CPD協会公式https://www.cpd-ccesa.org/cpd_summary.php
CPD制度以外に、CPDSがあります。言葉だと似ているため混同しがちですが、運営団体に違いがある制度です。CPDは建築系CPD協議会ですが、CPDSは一般社団法人全国土木施工管理技士会連合会(全国技士会)が運営団体になっています。
全国技師会は土木施工管理技士会や、橋梁や塗装など専門技術の技師会を中心といた連合体です。ただし、全国技師会も建設系のCPD協議会に加盟しています。
内容自体は、CPDとCPDSに大きな違いはありません。違う点は対象の違いで、土木施工管理技士系の専門知識と技術と倫理観のアップが目的です。
CPD制度は個人のスキルアップや客観的な評価を数値で表せる点がメリットです。企業も雇用している建築士への教育の場として機能します。他社との交流も生まれ、自社にはない知識や技術や仕事の方法を学べるのです。公共工事の入札でも、CPD単位を多数取得している技術者があれば評価に加点され有利になります。