施工の計画書は工事を始める前に作成しなくてはならない書類の一つであり、工事を円滑に終わらせるために工事の手順や管理事項をまとめた書類です。工事全体の流れを掴めることが重要であり、誰が読んでも分かりやすく記載しなくてはなりません。施工計画書はさまざまな関係者が目を通すことがあり、場合によっては突然担当者が変わる場合もあるのです。そのようなときに施工計画書が分かりにくいと、いちいち説明を加えなくてはならず手間がかかります。そのような事態を防ぐためにも、できるだけ責任者や使用する機材、施工方法などを明確に記載しましょう。数字を取り入れるとより分かりやすい書類を作成することができます。なお、施工計画書の書き方が分からない場合は、ひな形を作成するのがおすすめです。
「施工中に作成を行う施工状況や打ち合わせ内容を記録した施工記録に関する書類」が該当する施工の記録に関する書類。現場監督は現場作業時間に現場の写真を撮り、その写真をこの施工記録関係の書類に使用するのが一般的です。写真を撮るのは設計図や法律を守って施工を行っていることを証明するためであり、他にも各種工事打ち合わせ簿や、工事履行報告書、工事事故報告書等の作成も現場監督に任されています。
現場監督が取り扱うことになる書類の一つに、施工の契約や変更に関する書類があります。「施工前・施工中・完成後と工事期間全般において必要とされる契約に関する書類」が代表的な書類であり、工事工程表やVE提案書、前払金請求書、工期延期届、建設機会借用書並び返納書、指定部分完成通知書、完成通知書、引渡書、完成代金請求書などが当てはまります。なお、上記の書類が必要となるタイミングは工事によって違うため、どの段階でどの書類が必要か把握しておくのも大切です。
品質計画や工程の確認作業を記した書類である施工計画書。施工に関する具体的な計画が記載された書類です。記載されている主な内容は元請けの各工種の施工希望であり、工事を施工・管理する上で基礎となる事柄です。
請負代金が500万円を超える工事では、着工前に元請け業者の監督職員に提出しなくてはなりませんが、500万円未満の場合でも要求されたのであれば提出しなくてはならないため注意が必要です。
施工計画書に記載されている具体的な内容の例を挙げると、工事概要や計画工程表、安全管理、指定機械主要資材、施工方法、交通管理などが該当します。該当地区を監督する市職員によっては、独自に項目を書き足す様に要求してくるケースもあるので、その場合は指示された事項を追記しましょう。なお、記載内容は監督職員の承諾さえあれば一部変更することも可能です。重要な変更が出た際は、その時々で工事に着手するより先に変更計画書を提出します。軽微な変更の場合は書き換えなくて良い場合もあるので、監督職員によく確認してから書き換えましょう。
工程管理表とは、表を用いて作業を見える化したもののことであり、進捗状況の共有を可能にします。「何の作業がどこまで進んでいるのか」をリアルタイムで把握できるため、作業員たちは仕事を滞りなく進められます。工程管理表を作成しておけば、作業のペースが落ちているときでもすぐに気づいて挽回することが可能です。工程管理表には作業員たちに作業工程を意識させるだけでなく、納期を厳守する上でも役立つというメリットがあるといえるでしょう。
工事を目標どおり実現させるために予算と実績を管理するために書く予定表を予算管理表といいます。企業が理想的な利益を上げるために立てる計画のことを指し、短期・中期・長期の3つの段階に分けて1年の計画を立てるのが一般的です。一年間を通して行った活動内容と実績を照らし合わせて分析し、初期に立てた目標にどれだけ到達できているか把握するのに役立ちます。
分析した結果を今後の参考にすることで、新たな戦略を立てたり、問題点を発見して改善したりすることが可能です。企業にとって理想的な「PDCAサイクル」を確立するのに欠かせない要素となっています。