このページでは、現場監督の業務に欠かせないエクセル(Excel)のスキルについて解説します。エクセルをつかった資料作りについても紹介しているので、エクセルスキルに不安を感じている方は参考にしてみてください。
管理業務や資料作りに役に立つ代表的なソフト「エクセル」です。エクセルはマイクロソフト社が開発している表計算ソフト。数値の計算に留まらず、資料作りや業務管理に広く使われており、ビジネスに欠かせないソフトとなっています。
現場監督の仕事では「管理業務」がメイン。設計図通り、クライアントの依頼通りに完成できるよう、工事のスケジュールや予算を管理。それに基づいて日々の工事を進めていきます。当然、現場の作業は現場監督ひとりで進めるわけではありません。ひとつの工事には非常にたくさんの関係者・作業員が関わっています。関係各位全体に情報を共有するための資料も必要です。
現場監督の業務にもエクセルは欠かせません。エクセルを使いこなせれば、管理業務を効率化して、作業ミスを予防できます。
現場監督がエクセルを使って行う管理の表および作成すべき資料には、下記のようなものがあります。
「工程表」とは工事の進捗管理を行うために使われる資料です。事前に定められた工期に基づいて、工程表に具体的な作業スケジュールを記載。実際に工事が始まれば、個々の作業や全体がどれほど進んでいるかをチェックするのに使用されます。
工程表を作成してこまめなチェックを行うと、工事の遅れを把握できるのがメリット。エクセルなら時系列に沿った進捗管理もカンタンにできます。
工程表をエクセルで作成するなら、「横線式工程表」が便利です。とりわけシンプルに管理できるのは、「ガントチャート」でしょう。
ガントチャートで工程表を作成する場合、縦軸に作業名を起き、横軸に日付や時間のデータを記載していきます。これで作業ごとの進捗状況は一目瞭然です。
「工事台帳」はコスト管理のために使われる資料。現場監督の業務には、資材や人件費等をはじめとする経費関連の管理も含まれます。
エクセルは表計算を行うために設計されたソフトなので、資材・人件費などの数値管理は得意分野です。原価計算も手軽にできるため、クライアントや行政担当者に提出する書類を作る際も、計算間違いを予防できるでしょう。
工事台帳をエクセルで作成する際は、プロジェクト全体の名称と具体的な作業名をわけるのがポイント。個別の経費管理と全体の収支予測を同時に確認したいからです。
エクセルでは、同じデータ(ブック)のなかでシートを分けられます。個々のシートで作業ごとのコスト管理を行い、マスターシートにそれぞれの結果が自動表記されるようにしておくのがおすすめ。入力作業にかかる時間を減らせるためです。
「実行予算書」は工程管理とコスト管理をあわせて行うための資料です。実行予算書の横軸に工事の進捗を設定しておけば、「今の段階でどれくらいの経費がかかっているか」を一目で確認できます。ひとつの作業あたりにかかっているコストの把握も可能です。想定より多く費用がかかっているとわかれば、そこから具体的なボトルネックの洗い出しとコスト削減案の策定ができます。最終的な着地に合わせて工程とコストを調整するのに実行予算書が便利です。
エクセルで実行予算書を作った場合、クラウドタイプのチーム機能と組み合わせれば関係者とデータをリアルタイムで共有できます。意思疎通の齟齬によるコスト面のトラブルを防げるのはありがたいポイントです。
実行予算書をエクセルで作成する際、まずはコスト管理が必要な項目を確定させましょう。作業担当が外注なのか、それとも内製なのかによっても、コスト管理のカテゴリーは異なってきます。わかりやすい管理ができるように事前に項目を設計しておくのが大切です。
具体的なエクセルデータの作成にあたっては、便利なテンプレートが用意されています。また、入力した数値を効率的に管理できるような「関数」もあるので、使いながら少しずつ覚えていきましょう。
「工事写真台帳」は建設現場の作業の様子を撮影して、写真として記録に残す資料です。
現場監督の仕事には、さまざまな管理業務に加えて、日々の工事現場の作業内容を写真で記録していく業務もあります。美しい写真にする必要はないので、できるだけ簡単に済ませたい工程です。
工事写真台帳の作成にエクセルがよく利用されるのは「写真を簡単に貼り付けられる」から。画像挿入機能を使えば、作成中の資料に画像を貼り付けられます。
エクセルはほとんどの事務所・事業所で活用されているソフトです。関係者の確認が必要な工事写真台帳をエクセルで作れば、決済がスムーズに進みます。
工事写真台帳をエクセルで作成する際は、写真データを貼り付ける「列」を決めておくのがポイント。同じ資料内で写真の位置がずれてしまうと、見にくくなってしまいます。
また、見やすいレイアウトにまとめたい場合、表示を「ページレイアウト」にして作業するのがコツです。印刷時の仕上がりを確認しながら作成できます。