建物をつくるおおまかな流れの中で、内装工事は基礎工事や躯体工事などの骨組みができた後に行う最後の工程です。コンクリートや木材がむき出しになっている状態から、建物の壁や床、天井などを仕上げていく工事のことをさします。ドアや窓の取り付けから配線・配管工事に至るまで、その内容は多岐にわたります。
内装工事における現場監督の仕事の流れは、引き渡し日から逆算して工事の計画を立てることから始まります。その後デザインと施工会社を決め、見積もりを算出。施主に見積もりを提出し、契約できる段階までをリードするのも現場監督の仕事の一環。契約締結の際には、追加工事の有無についても明記して、トラブル回避につとめましょう。
契約締結後着工となります。通常の工事同様、作業員に指示を出し、進捗状況を管理するのが現場監督の仕事です。消防検査や施工検査などの日程を把握し、工期に遅れが出ないよう進めていきましょう。最後に竣工検査をクリア後、施主に建物を引き渡して完了となります。
建築はすべて工事計画を立てていますが、計画通りに進むことはまずありません。基礎工事や躯体工事など、前半の工事で遅れが出たなら、内装工事期間で帳尻を合わせることも多々あります。残業になってしまうことも多いのですが、それでも工期厳守が基本です。
内装工事は関わる業者さんが多くなるため、打ち合わせの段階からスムーズなスケジューリングが必要です。同じ日に建物の各フロアで別々の工事が行われるだけでなく、同じ場所で工事がバッティングしてしまうことも。「どちらが工事を先に行うか」で揉めると工事の遅れにつながるため、業者間の調整が円滑に行われることは工期厳守のカギといえます。綿密な打ち合わせのもと、作業がスムーズに行われるよう調整するのが現場監督の大切な仕事のひとつです。
施工がせまってくると消防検査、施工検査、竣工検査とさまざまな検査が行われます。
消防検査の日は早ければ数年前から組まれていることがあります。検査日程が細かく組まれている地域もあり、検査日に間に合わなかったときの代替日がかなり後回しになることも。検査される部分の工事は、検査日までにつくりあげるよう計画を立て、作業しましょう。
消防検査を終えなければ引き渡しができないので、契約違反になる可能性があります。
内装工事にかかる期間は、工事期間全体の35%くらいが目安とされています。一年工期の仕事であれば、4.5カ月間程度が、これはあくまでも目安です。内装工事の前段階である基礎工事や躯体工事で遅れが出た場合には、短くなる可能性もあります。タイトなスケジュールで作業しないで済むように、工事全体のスムーズな施工・管理が大切。現場監督の能力が問われるところです。