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杭打ち工事とは

杭打ちは基礎工事のひとつ

杭打ちは建物を支える基礎工事のひとつです。軟弱地盤に建てられた建物だと、地震や台風のような大きなエネルギーの前には太刀打ちできません。支えるには強固な基礎が必要です。その方法のひとつに、杭打ちがあります。

杭打ちは建物を安定して建てるためにも必要

杭打ちをする目的は、地面の上に建てる建物が倒壊しないよう安定化させて支えるためです。建物を建てるときには、直接基礎工事を行います。直接基礎工事を行うことで、地震や台風にも負けない安定感が生まれるのです。しかし地盤がやわらかいと、直接基礎工事だけでは足りません。軟弱地盤に建物を建てても安定させるための方法として杭打ちが有効なのです。

河川下流にある土地は水分量が多い関係から、軟弱地盤がたくさんあります。同時に、世界的に見ても地震や台風が多い国ですから、安定度には配慮しなければなりません。杭打ちは、建物と人を守るためにも重要なのです。

杭の種類

杭打ちでは、主に木杭と鋼杭とコンクリート杭が用いられます。木杭の歴史は古く、一説には紀元前5,000年から使われていたという話があるほどです。木材は土中に杭として打ち込んでも、好気性と酵素で問題なく使用できます。それでも、常時湿潤状態の確保と、維持がむずかしいなら、防腐処理は必要です。

鋼杭は鋼製の杭を採用します。重いビルのような建物や地すべりのリスクが高いところで用いられるのが特徴です。鋼管の杭だと中にコンクリートを注入できます。

コンクリート杭は、コンクリート製の杭です。主にやわらかい地盤で採用されます。たとえば、水分も多く腐植が多い腐植土層では、杭の選定を誤ると固化不良が起きるからです。そのため、腐植土層に適しています。

杭打ちの工法の種類

杭打ちは1種類だけではありません。複数種の工法があり、それぞれ特徴があります。把握しておけば、適切な杭打ちを選べるのです。

打ち込み方法と埋め込み工法

打ち込み工法は、既製杭を打撃で打ち込んで、決められた深さまで入れます。埋め込み工法は、杭の長さの決められたところまで掘削。次に既製杭を建て込んで挿入します。

鋼管回転圧入工法

先端翼を先端に備えた鋼管杭を回転させ、杭打ちを行います。通常、掘削時に出た土は産業廃棄物として処理しなければなりません。鋼管回転圧入工法は排土が発生しない点がメリットです。

アースドリル工法

杭打ちの中で一般的に行われている工法です。ドリリングパケットを使用して、地盤を削り、掘り、開けた穴に杭を打ち込みます。ただし、玉石、岩盤といった地盤の掘削には向いていません。

オールケーシング工法

特に硬い地盤で採用される工法です。ケーシングチューブという鋼管による振動や圧入を行い、地盤の崩壊を防ぎます。同時に、ハンマグラブを使って、掘削や排土を行う仕組みです。

リバースサーキュレーションドリル工法

スタンドパイプを建て込んだあと、孔内に水を入れ、孔壁に圧力をかけることで安定化を図ります。地盤崩壊を防ぎつつ、土砂と水を吸い上げて排出する工法です。

一般的な杭打ちの流れ

現場監督として、杭打ちの流れを把握しておくことは大切です。流れを知らないと、段取りも指示もスムーズにできません。一例として、基礎杭打ちの流れを解説します。

  1. 準備
  2. 資材や重機の搬入
  3. 機器の組立
  4. 本作業
  5. 機器の解体
  6. 搬出と後片付け

一般的に、準備、資材の搬入と組立、作業、解体、後片付けの流れです。

準備で安全を含めて作業全般の確認

杭打ち作業に関わる作業全般の確認を行います。特に重機を使用するため、安全確認は徹底しましょう。必要な重機や点検、作業場所や資格者の確認も必要です。

資材の搬入と組立

杭打機やクレーン、資材を搬入し、作業中、部外者が入らないよう監視員を設置し、杭打ちに必要な機器の組立を行います。

本作業

現場状況に合わせた工法で、作業を行います。

解体と搬出と後片付け

作業終了後は、組み立てた機器を解体し、搬出して後片付けです。現場を巡回し、忘れ物やゴミがないか確認しましょう。

まとめ

杭打ちは軟弱地盤には必須の工事です。現場監督の認識が甘いと施工後で大事故が発生しかねません。また、作業中も事故がないよう安全確認と対策を徹底しましょう。