現場監督のタマシイ|現場監督になるには?未経験で現場監督になるための情報ガイド » 現場監督の仕事内容 » 未経験からゼネコンで働くには?

未経験からゼネコンで働くには?

建築業界への転職を検討した時に、まず大手ゼネコンでの仕事をイメージする方が多いのではないでしょうか。そこで、この記事では未経験からゼネコンなどの大手企業で働けるのか?といった疑問にお答えします。

ゼネコンの現状と将来性

現在、国内の建設需要は震災復興工事が落ち着いたところである点に加え、オリンピックも終了したことから横ばいに推移していく見込みとなっています。しかし、さまざまなライフラインの老朽化に対する修繕工事や耐震防災工事については、今後も需要が見込める分野となっています。

また、リニア新幹線の開通によって地方都市の建設需要が喚起される可能性も考えられますし、大手ゼネコンにおいては海外に進出し、その国のライフラインなどを手がけているケースもあります。

ゼネコンで働くメリット

ここでは、ゼネコンで働くメリットについて紹介。どのようなメリットがあるのかをチェックしておきましょう。

高収入

まず、ゼネコン業界の特徴として挙げられるのが「収入が高い」という点です。中でも「スーパーゼネコン」と呼ばれる大手のゼネコンの場合には、平均年収が1,000万円を超えるところもあるといわれています。

工事などの現場で働くということは常に危険と隣り合わせとなります。このことから、手当が多く支給されて高収入に繋がっているといえるでしょう。

社会貢献ができる

ゼネコンが手がける仕事は、社会への貢献度が高い点も特徴です。道路や水道など、私たちの生活に欠かせないインフラや学校・マンションなどの施設に加えて、災害時の復興についてもゼネコンは大きな力を発揮します。このように、ゼネコンの仕事は人々の暮らしを支える仕事です。

大手企業の安定性

上記で説明した通り、ゼネコンは人々の暮らしを支えている仕事であるために今後も需要が見込まれる業界です。さらに、身につけた技術や知識を活かすことで定年まで働き続けられます。さらに、大手ゼネコンであればより安定した環境で働ける可能性が高いといえるでしょう。

キャリアアップ・スキルアップが目指せる

ゼネコンで働くことにより、さまざまなスキルが身につきます。例えば営業職の場合は非常に打ち合わせの回数が多いため、関係者と連携しながら仕事を進めていくためのマネジメント能力や営業力、ここぞというときにフォローするためのスキルなども身につくでしょう。

また、自分の提案したい内容がうまく相手に結びつかないと仕事が得られないことから、営業力も自然と磨かれていくと予想されます。

海外で働けるチャンスも

海外で働きたい人にとっても、ゼネコンで働くことには大きなメリットがあるといえます。これは、大手のゼネコンは積極的に海外進出を行っているため。

例として、中国・台湾・東南アジアなどで高速道路やトンネルなどのインフラを整備する仕事に携わることができるかもしれません。このように海外勤務をしたいと考えている場合には、海外での事業に強みを持っているゼネコンを選ぶ点もポイントです。

ゼネコンの種類

「ゼネコン」にはさまざまな種類があります。ここでは、「スーパーゼネコン」「マリコン」の2つについて紹介します。

スーパーゼネコン

「スーパーゼネコン」とは、大手ゼネコン5社(鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店)を指します。「スーゼネ」と呼ばれることもあるスーパーゼネコンの特徴は、事業領域の広さと案件の大きさです。施工はもちろん、設計や研究開発、エンジニアリングなど幅広い領域において高い技術やノウハウを持っている点も特徴といえるでしょう。

例えば、開発事業においては一般的にディベロッパーと呼ばれる企業が都市開発計画を立て、ゼネコンが建設を進めていきます。しかし、スーパーゼネコンでは開発計画まで行える技術とノウハウを持っている企業も。このように、スーパーゼネコンは工事のみではなく、さらに上流の開発分野にも積極的に進出している、ということになります。

マリコン

「マリコン」とは、「マリン・コントラクター」の略です。海洋土木工事に強みを持っているゼネコンのことをマリコンと呼んでいます(五洋建設、東亜建設工業、東洋建設など)。

これらの企業は、海底トンネル工事や埋め立て、護岸など、高い専門性を求められる工事を手がけています。専門性の高さから、新規参入が難しい分野の工事を行える点がマリコンの特徴となっています。

ちなみに、マリコンの技術力は海外からも評価が高く、世界各地の工事などを手がけています。

未経験からゼネコンで働ける?

ゼネコンについてある程度わかったところで、興味が出てきたという方もいるのではないでしょうか。ここでは、未経験でもゼネコンで働けるか?という点について考えてみましょう。

事務職で働く

未経験の場合に考えられるのが、事務職として働くという方法です。建設業界での経験がなかったとしてもできる仕事があることから、転職が可能です。

ゼネコンの事務職には、工事現場を直接支える現場事務や調達などの仕事があります。また、ゼネコン特有の業務ではない、総務や人事、経理といった部署であれば、建築業界未経験でも十分に働くことができるでしょう。

技術職で働く

ゼネコンでは、技術系の仕事が多くあります。もちろん経験はあるに越したことはありませんが、建築業界は人手不足であるため、未経験も積極的に採用しているという傾向があります。それぞれの企業で挑戦できる職種は異なると考えられますが、挑戦してみたいと考える方は、積極的にチャレンジしてみることをおすすめします。

ゼネコンで働くうえで求められるスキル

ゼネコンで働きたいと考える場合には、どのようなスキルが求められるのかをチェックしておきましょう。

対人スキル

ゼネコンで働く場合には、まず「対人スキル」が必要です。これは、工事を成功に導くためには非常に多くの関係者と関わる必要があるため。現場で何か問題が発生した場合には、関わる人と連絡を取り、スムーズに現場が回るように調整を行っていきます。

さらに、現場で働く職人にはさまざまな人がいます。中には自分よりもずっと年上の職人もいますので、年齢にかかわらず人見知りせずにコミュニケーションを取れるスキルが必要です。

CADスキル

ゼネコンの設計部門や現場職員として働く場合には、CADのスキルが必要となります。現在使用されている建築や土木、電気設備の施工図面などはCADで製図しているケースが非常に多くなっています。多くの場合、2次元CADが使用されていますが、場合によっては3次元CADを使うことがあります。

CADで製図を担当する人をCADオペレーターと呼んでいますが、こちらは認定資格を取得しておくことで、スキルをアピールする材料となります(資格がなくても業務を行えます)。

ゼネコンの平均年収は?

ゼネコンの場合、全体の平均年収は600〜650万円ほどといわれています。その中でも、「スーパーゼネコン」といわれている大手のゼネコンの場合には平均年収が800万円以上となっており、特に年収が高いとされています。

このように、ゼネコンの平均年収は他の業種に比べて高いという傾向があります。

ゼネコンへの転職時に有利な資格

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、自社の建築物を販売する場合に必要な資格であるため、営業職などに転職する際に持っておくと有利です。ゼネコン業界のみだけではなく、ほかの業界でも役に立ちます。合格率は16~17%となっています。

参考:不動産適性取引推進機構(https://www.retio.or.jp/exam/pdf/zissigaikyo.pdf)

消防設備士(乙種)

設計や施工管理職、営業職を考えている場合には消防設備士(乙種)が有利といわれています。この資格は、建築物における消防設備について、工事・点検・メンテナンスを行う際に必要となる国家資格です。消防設備士(乙種)は第7類~第1類までありますが、種類によって行える作業内容が異なってきます。

難易度は40%前後となっており、比較的チャレンジしやすい資格といえるでしょう。

参考:一般財団法人消防試験研究センター(https://www.shoubo-shiken.or.jp/result/)

マンション管理士

マンション管理士は、マンションの管理や維持に関する知識を身につけられる資格で、2001年に施行された「マンション管理適正化法」を受けて作られた国家資格です。難易度が非常に高いことで知られており、合格率は7〜9%程度。不動産業界で働く人が昇進・転職を目指して取得するケースも多い資格となっています。

参考:公益財団法人マンション管理センター(https://www.mankan.org/)

電気工事士(第二種)

電気工事士(第二種)は、住宅や店舗において600V以下で受電する電気設備工事を行える資格となっており、施工管理や建築士の仕事をする上で必要な資格です。比較的難易度が低い資格で、合格率は60%程度となっています。

参考:一般財団法人電気技術者試験センター(https://www.shiken.or.jp/situation/s-construction02.html)

インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターは民間資格の一つですが、資格手当が加算されることが多い資格です。さまざまな建物のコーディネートを行うための専門知識となっていますので、ショールームアドバイザーや照明プランナーなどの仕事をする上でも活かせる資格となっています。合格率は20%程度と難易度が高い資格となっています。

参考:公益社団法人インテリア産業協会(https://www.interior.or.jp/examination/ic/result/)

キッチンスペシャリスト

キッチンスペシャリストは、インテリアコーディネーターの関連資格となっています。キッチンについて、快適で使いやすい空間を作るための専門的な知識を得られます。合格率は40%程度となっており、インテリアコーディネーターより難易度が低い資格ですが、資格手当の対象となる場合もありますのでチェックしておくと良いでしょう。

参考:公益社団法人インテリア産業協会(https://www.interior.or.jp/examination/ks/result/)

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障害者が暮らしやすい住環境を作るための専門的な知識を得られる資格です。建築士や営業職、インテリアコーディネーターを目指す人におすすめです。難易度別に3級から1級まで分かれていますが、1級になると一気に難易度が上がり合格率が10%台となります。

参考:東京商工会議所(https://kentei.tokyo-cci.or.jp/fukushi/about/data.html)

照明コンサルタント

照明コンサルタントは、インテリアとしての照明はもちろん、人体や精神面への影響を考慮しながら照明を作り上げるための専門的な知識を得られる資格です。さまざまな建物の照明コンサルティングに役立てられることもあり、インテリアコーディネーターとして仕事をする上でも活かせる資格です。合格率は公表されていませんが、難易度は低いため挑戦しやすいでしょう。

参考:一般社団法人照明学会(https://www.ieij.or.jp/educate/kiso.html)

建設業計理士(1級~4級)

建設業計理士(1級~4級)は、経理職を目指す場合に取得しておきたい資格です。建築業界特有の経理に関する知識を得られる内容となっており、資格手当の対象となる企業もあります。3級までは難易度が低いことから多くの人が取得するため、ぜひ2級以上の取得を目指したい資格といえるでしょう。2級の合格率は40%前後、1級の合格率は財務諸表が23%程度、財務分析が28%程度、原価計算が17%程度となっています。

参考:一般財団法人建設業振興基金(https://www.keiri-kentei.jp/exam/past/data.html)

ゼネコン会社の選び方

「ホワイト企業」を見分けるためのチェックポイント

社員全体の年収

まずは年収についてチェックしてみましょう。求人票に記載されている「給与」と「ボーナス」を合わせた金額が高い場合、どの社員も年収が高い、ということが予想できます。このような企業の場合には、「ホワイト企業」といわれる企業である傾向があります。

福利厚生が充実している

ホワイト企業といわれる企業の場合には、福利厚生に力を入れている点も特徴です。これは、従業員を大切にし、長くその会社で働いてもらうため。少なくとも「労災保険」「雇用保険」「健康保険」「厚生年金」といった福利厚生が整っている企業を選びましょう。

年間休日の日数

求人票には「年間休日日数」を掲載している企業も多くあります。この日数が120日以上ある場合には、土日祝休みに加えて、夏季休暇や年末年始休暇などの長期休暇がしっかり取れる企業であると判断できます。そのほかにも、産前・産後休暇や介護休暇といった休暇制度についても確認しておきましょう。

育成制度

一人一人の社員を大切にする企業は、研修などがしっかりと行われているという傾向があります。どのような育成制度が用意されているのか、という点についてもチェックしておくと良いでしょう。しっかりと研修を行ってくれる企業の場合には、未経験でもチャレンジできる可能性があります。

採用ステップに時間をかけるか

採用ステップに時間をかける企業は、しっかりと自社に合っている人材を見極めてから採用をする、というケースが多く見られます。その企業に合っていない応募者は不採用となっていくことから、働きやすい職場環境であると予想されます。

「ブラック企業」を見分けるポイント

同じ内容の求人が頻繁に掲載されていないかどうか

求人情報を見たときに、同じ内容の求人が頻繁に掲載されている場合には離職率が高い可能性があります。特に、未経験者を頻繁に募集している場合には注意が必要です。

求人情報に使用しているキーワード

求人情報の中に、抽象的な前向きなキーワードが多く使われている場合には注意が必要です。例えば「夢」や「希望」といったワードが多く、勤務条件や待遇などの具体的な情報があまり記載されていない場合には、ブラック企業といわれる環境である可能性があります。

給与面についてもチェック

例えば、他の会社と比べて異様に年収が高い場合には、ノルマが厳しい会社である可能性も。さらに、昇給についての記載がない場合にも注意したいところです。長い期間その会社で働いたとしても、初任給とあまり変わらない給料のままで働き続けることになる可能性があるためです。

未経験からゼネコンを目指すなら「技術者派遣」がおすすめ

ゼネコンとはどのようなものなのか、また求められるスキルなどについて紹介してきました。もし未経験からゼネコンを目指したい場合には、「技術者派遣」という選択肢がおすすめです。この場合、充実した研修制度や資格取得支援制度を利用しながら、派遣会社の正社員としてゼネコンを現場に働くことが可能となります。

技術者派遣として働きたい場合には、ゼネコンとのつながりや取引実績が豊富な派遣会社を選ぶことが大切です。